オレに乗れねー波はねぇええっくす!! | ナノ
一郎太が帰ってきた。 私に黙ってキャラバンをおりていった一郎太が。
「……名前、」 「…どちらさまですか」
後ろからかけられた声に冷たく言い放った。 誰か、なんてわかってる。その声が聞きたいと、その姿を見たいと、私は何回泣いたかわからない。 それでも私は後ろを向かず、前を見つめ続けた。
「………すまない…本当にすまない、名前」 「…悪いとは思ってんのね」 「…ああ、本当に心から思ってる」
くるりと振り返ると、一郎太が辛そうな表情で私を見つめていた。 「……ほーんと、男って身勝手だよねー」今までとは違ったあっけらかんとした声でそう言ってため息をつく。そんな私に驚いたのか、一郎太は目を丸くして私を見た。 肩をすくめて苦笑し、「まあ仕方ないか」と言うと、一郎太はますます目を丸くした。
「それじゃあ、名前…」
目を丸くさせたまま言う一郎太に、にっこり笑いかける。
「仕方ないから、許しちゃう」
「っ…名前!!」「ぅ、わわっ」がばっと一郎太が抱きついてきた。ぎゅうう、と抱きしめられて、息が苦しくなる。
「いち、くるし…!」 「もう二度とお前の前からいなくなったりしない。約束する、絶対だ!」
一郎太の声が耳元で響く。瞬間、目に涙が浮かんだ。 ダメだ私。ここで泣いちゃいけないじゃんか。笑って迎えてあげなきゃ。 しばらくして一郎太が私から離れた。「…一郎太、」「なんだ?」涙を拭って一郎太を見つめる。
「ただいまのキスは?」
そういえばキスを忘れてたね。
「ただいま、名前!」 「おかえり、一郎太」
******** dear.藤島さん いちおうDE戦後あたり設定 もう既に似たようなのがある希ガス…すみませんorz
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