リーフの髪の毛が刈られました | ナノ

好きです、ただ一言が言えないまま何年が過ぎただろうか。今日はグラウンドからではなく教室の窓から外を見ていたらサッカー部が汗を流しながら練習をする姿が見えるその中に彼はいないか、あ、今シュート決めた。よしっ、とガッツポーズを決めてディランとハイタッチしている。あー私も男の子だったらあんな風になれるのかな、ディランが羨ましい。マークがくるくると辺りを見渡していて誰かを探している様子だった、ぐるっとグラウンドを見渡してみたが探している人は見当たらなかったようで少し悲しそうな顔をした。誰を探していたんだろう私だったら良いのにな、

「なんてね」

椅子から立ち上がって机の横に置いた荷物を手に持ち教室を出ればばったりと、幼馴染に出会った。よっ、と右手を軽く上げてはにかむ彼は土門、小さい時から良く遊んでいたけれど最近は忙しくなってあんまり話さなくなったな、今帰り?と聞いてきた彼の質問に答える。

「そうだよ」

「俺も今から帰るんだ」

「そうなんだ」

「どうした?なんか変だぞ」

え、私変かな、と苦笑いしながら言えば即答、そんな、即答しなくてもいいじゃないか。土門と話しているのにマークのさっきの表情が離れなかった、今何してるんだろうって、もしかして探してたのは女の子じゃないのかって不安、怖い。マークの口から恋愛トークなんて聞いた事なかったから、どうしよ、やっぱり初恋って実らないものなのかな。いつもおはようのあいさつをして、お昼食べて、練習がなかった日は一緒に帰って、もしかしたらって自惚れていた私がバカだったのかな。そういえば、とにやにやしながら土門が口を開いた

「マークがお前を探してたぞ」

ほら行って来い!ばしんと背中を押されて、こけそうになるのをカバーして後ろを振り向けば親指と立ててがんばれ、と口パクで伝えた。私、自惚れてもいいですか、神様。


今キミにこの思いを伝えに行きます



Einsatz

ことりちゃんへ!
100814