デートしよ!



「ちょっと雲が出てますけど、晴れて良かったですね」
「あんまり暑すぎるのもなんだから、もう少し雲が多くてもいいくらいだなァ」

そんな会話をしながら助手席に名字を乗せた車は目的地の公園へと走っていく。今日は決戦の日、イルミネーションデートの日である。明日こそは絶対に決めると、不死川は昨晩サイトにある公園の見取り図を見ながら、イルミネーションが施されているどの辺で告白を切り出そうかと作戦を練っていた。そしてイルミネーション全体が見渡せる展望台でしようとまで決めた。つまりは、準備は万端なのである。
車で1時間程の道のりは、途中で昼ご飯を食べに寄りつつも順調に進み、着いたのは1時近くであった。


入園ゲートを潜り抜け、一旦建物の日陰に移動してから入口で貰ったパンフレットを広げた。園内は広く幾つもの道がある。闇雲に歩き回ってもただ疲れるだけなので、効率的に回ろうと2人で顔を寄せ合ってルートを話し合った。

自分達が今いるこの出入口付近はお土産物やフードコート、子供向けの室内遊技場などの商業エリアとなっており、残りの大部分は植物が植えられている自然エリアとなっている。その自然エリアの中にロケ地となった洋館や名字が行きたがっていた動物の触れ合いコーナー、向日葵の巨大迷路、水遊びが出来る人工の滝などが点在している。全て回るのは流石に骨が折れそうだ。
話し合った結果、向日葵の巨大迷路がここから1番近いため、まずそこに行くことにした。その後は植物を眺めつつロケ地である洋館へと行き、中にある喫茶店で一休みしてから触れ合いコーナーへ。それを終えたら夕ご飯を食べにまたここへ戻るという園内をぐるりと1周する流れになった。もちろん余力があれば他も見てみるつもりである。そして夕飯を食べ終えたら、いよいよイルミネーションエリアだ。

「距離はそんなに長くはねェけどよォ。もし途中で気分が悪くなったらすぐに言えよ」
「ありがとうございます。今日はそこまで暑くはないので大丈夫かと思いますが、その時は言いますね」

その言葉に頷き、2人で日陰から出て自然エリアに向かった。
季節は盛夏であるものの、暑さに負けじと青々と茂る植物の姿が清涼感を与えてくれる。デュランタ、プルメリア、ムクゲなどの様々な季節の花を眺め途中で写真を撮りながらも、メインである向日葵の巨大迷路へと到着した。なるほど。確かに巨大迷路と銘打つだけあって横にも縦にも大きく向日葵の背丈は俺の背程はありそうである。

「不死川先生、もしゴール見えても教えないでくださいね!」
「ああ、わかった」

教えるものか。少しでも長く一緒に楽しみたいので見えても全力で見ない振りをするつもりであった。あっちではないか、こっちではないかと検討をつけて進んでは行き止まりに当たるを繰り返しながらも迷路をゆっくりと進んでいく。

「あー!悔しいですね。絶対にこっちだと思ったのに」
「さっきの所で係員がヒント配ってたぞ。貰ってくるかァ?」
「うーん。もう少し粘ってみてもいいですか?暑いのにすみません」
「暑さには慣れてるから気にするな」
「ありがとうございます!不死川先生はどっちだと思いますか?」

何度目かの行き止まりから三叉路の場所に戻れば、残り2つの道の選択権は自分に委ねられた。直感でこっちだと決めて進めば、ゴールまであと少しの看板が見えた。
「やった!不死川先生凄いですね!」
向日葵を背に笑顔でこちらを見る名字を見て、先日伊黒が言っていた『すべての向日葵が彼女に向いているみたいだ』という言葉が頭に浮かんだ。あれはあながち嘘ではないのかもしれない。

本当にゴールは近かったようで程なくゴール地点に到着すれば、待ちかまえていた係員に「おめでとうございます!あちらで記念撮影できますよ」と声を掛けられた。
向日葵をバックにゴールできました!の看板を持ったカップルが、係員に写真を撮って貰っていた。自分のスマホなりカメラなりを渡せば撮ってくれるようだ。正直にいえば、一緒に撮りたい。

「あー、せっかくだし、写真撮らねぇか?」
「いいですね!撮りましょう!」

ゴール出来た事による達成感からか名字のテンションが妙に高い。だがそのお陰で一緒に写真を撮ることに了承して貰えた。自分のスマホを年配の係員に渡して所定の場所に行き、2人で看板を持てば自然と距離は近くなる。
「はい、撮りますよー。笑って笑ってー!お兄さん、表情が固いよ!せっかく可愛い彼女が隣にいるんだからもっと笑って!」
係員のその言葉に、余計な事を言ってくれるなと看板を持つ手に思わず力が入り、顔が強張る。意識しすぎて笑える気がしねェ。

「不死川先生、1+1は2ですよ。にー」
「......にィー」

名字が笑わせようと古典的な事を言ってくる。ガキじゃねぇんだからと思うも、その姿に自然と頬が緩んだ。それが功を奏したのかいつの間にかシャッターを押されたようで「はい、撮れたよー!付き合いたてなのかな?初々しくていいね」とオレのスマホを差し出しつつ係員が近付いてきた。

「なんかすみません。彼女じゃないのにそう思われちゃって」
「いや...」

謝らないで欲しい。俺は間違えられてむしろ嬉しい位なのだが、名字はどうなんだ?嫌な気分になっていないだろうか。表情から察せられないだろうかと名字の顔を一瞥するもイマイチわからない。だが、いかにも迷惑ですという表情を取られていないので望みはあると信じたい。
いっそ今「なら本当に俺の彼女になってくんねェか?」と言ってしまおうか。そんな考えが浮かんだ時に「次はあっちでしたよね。行きましょう」と何事も無かったかのように名字が進行方向に向かって歩き出した。
落ち着け。まだ時間はたっぷりある。焦らずにいくべきだと自分も気持ちを切り替えて名字の後を追った。



「すごーい!テレビで見たまんま!」

ロケ地となった洋館に着けば、興奮した名字はスマホを片手に様々なアングルから写真を撮ってはしゃいでいた。そんな姿を眺めつつ、あーそういえばこんな所で敵と戦ってたっけなと思い出した。熱心な名字とは違い、不死川にとってはそんなものである。だが、目的は違えどこんなに喜んでくれるのならば、ここに来て良かったと自分も嬉しくなった。
洋館の中にある喫茶店で疲れた体を休ませつつ水分補給をした後、動物の触れ合いコーナーへと移動した。兎やモルモットを実際に抱っこできるという事で、体験者はちびっ子が多かったので少し浮いていたかもしれないが、名字が可愛い可愛いと笑顔になっていたのでどうでも良くなった。


行きたい所を一通り周り商業エリアに戻ってきた時には日が少し傾き掛けていた。夕ご飯にしてはまだ少し早いので、その前にお土産物などのショップを一通り見てからフードコートへ赴く。
そこは壁の一面に大きなガラス窓がいくつも並び、公園内の景色を望むことが出来る。ゆっくりご飯を食べつつ学校の話などをしていれば、日没にはまだ早いものの辺りはほの暗くなっており、イルミネーションが徐々に輝きを増す様が見て取れた。


イルミネーションエリアはちょっとした山の傾斜に沿って施されており、時には近くを流れる川にまで天の川と称したイルミネーションが装飾されていて見応えがあった。しばらく進めばベンチが複数設置された場所へと到着した。近くには立て看板が置かれておりプロジェクションマッピングの投影スケジュールと説明が書かれている。
「あと5分位でやるみたいだな。見るか?」
自分の腕時計で次の投影時間を確認すれば運がいいことにもうじきであった。

「見たいです!でも帰り遅くなっちゃいますが運転大丈夫ですか?」
「運転は得意だし気にするな。前なんて宇髄に「夜の海に行こうぜ!」って呼び出されて一晩中運転してた事もあったしなァ」
「先生達タフ過ぎません?」

驚きながらもからからと楽しそうに笑う名字をベンチに座るよう促して自分も腰掛ける。パンフレットを広げて昨日を含めると何度目を通したかわからない公園の見取り図を眺めれば、あと少しで展望台エリアに到達する事を確認した。刻一刻と迫るその時に、流石にいつもの冷静さではいられない。帰りの車の中で気まずくなるのは避けたいからやっぱり此処で言うのは止めるか?そんな怖じ気付いた考えを吹き飛ばすように軽快な音楽が流れプロジェクションマッピングが始まった。
音に合わせて幾重にも変わる映像に目を奪われていれば、すぐ近くに座っている小さな子供が「ママ凄いね!」とはしゃいでいる。その様子を見て自然にふっと笑みがこぼれた。
近いうちに兄弟達も連れてきてやりたいなと思った。ここなら室内遊技場もあるので最悪雨でも陽射しが強くてもそれなりに楽しめる。こうしてイルミネーションを見てから帰るならば、恐らく帰りの車中は玄弥以外眠りこけているだろう。そうして家に着けば寝ていた分元気になりいつまで経ってもなかなか寝ようとしないはずだ。たが、夏休みのうち1日位はそんな日があってもいいんじゃないか。喜ぶ兄弟達の顔を思い浮かべれば自然と緊張が緩まっていき、やがて投影も終わった。


そうしてまた歩き続ければ、遂に公園内が一望できる展望台へと来た。
先程見てきた天の川や、涼しげな青い光が至る所に燦然と輝いている様子が一望できる。
「きれいですねー!」
その言葉に同意しつつ周りを見れば同じようなカップルが4、5組ほどいる。展望台が広いため、隣同士の間隔も自然と遠い。

ーーこれは、今がチャンスなんじゃねぇか?

柵に両肘を置いてじっと景色を眺めている名字を見て、柵を掴む自分の手にもグッと力が入る。
この前の飲み会の時から察するに、嫌われてはいない。むしろ好感を持たれていると感じた。それが異性としてではなく、趣味仲間だとしてもこの機を逃さない手はない。返事は別の日でもいいから、気持ちだけでも伝えて趣味仲間から脱却して男として意識してもらうことが大事だ。
言え!自分!
そう自分に活を入れる。
心臓がドクドクと激しく脈を打つ。人はいるが辺りは静かなため、この音が相手に聞かれているのではないかとすら思える。暑さのためか緊張のためかわからないが、口の中が乾いていて唇を開くのがやっとだった。

「あのよォ...」
「はい?」

名字が夜景から目線をこちらに移す。

「あー、その...実は俺、ずっと前から「あれ?名前?」.........は?」

クッソクッソクッソクッソがァ!
前にも同じ事があったが、今は学校ではないので冨岡ではないはずだ。なら誰だ?しかも名字の事を呼び捨てにしてやがった。怒りに任せて声のした方へと睨みつけるように振り向けば知らない男3人が立っていた。
そのうちの1人が笑いながら俺達に近付いてくる。否、正確には俺達ではなく名字にだ。

「久しぶりじゃん、名前。元気にしてた?」
「あー...うん」

名字の表情がさっと曇った。
これは、この雰囲気は、俺でもわかる。もしかしてこいつは。

「誰?お前の知り合い?」
「そーそー、元カノ。めっちゃ久しぶりじゃん。3年振り?もっとだっけ?」

やっぱりか。
出来れば会いたくなかった。
元カレなんて、会わなければ未確認生物のような存在でいられたのに。実際に会ってしまうと、やはり彼氏はいたのだと、まじまじと実感させられて少し辛い。
男性が近くまで来た時に、さも今気がついたというように俺の方に視線を向けてきた。

「もしかしてこの人、新しい彼氏?彼氏さん知ってます?こいつすげーオタクなの。いい年してアニメとか漫画とか見てるってヤバくないっすか」

ケラケラと笑いながら不躾に言ってくるこいつからは微かにアルコールの匂いがする。
せっかくここまで並々ならぬ思いで約束を取り付けて、腹を決めて今まさに告白しようと思っていたのに。
それを、それをこんな奴に邪魔をされたのかと思うと腸が煮えくり返る思いだった。
それが如実に顔にも出ていたのだろう。連れと思われる2人は「ひっ」と短く声を出したかと思えば、慌てたようにその男性に駆け寄り「おい、行くぞ!」「俺達邪魔だって!」と服を引っ張りはじめた。だが尚も男は続ける。
「いやいや、俺は親切心から忠告してあげてんの。だってさ、詐欺だろ。見た目も悪くないのにコアなアニメや漫画見てる女なんて引くだろ。結婚してやってもいいと思ってたけどないわー」

ダンッ!!!

柵を握っていた手で握り拳を作り力任せに叩けば、木で作られた柵からミシッという音が聞こえた。だがこれ以上こいつの言葉を聞いていたくなかったし、何より名字にも聞かせたくなかった。
「さっきから黙って聞いてりゃよォ...てめぇはごちゃごちゃうっせぇなァ」
突然の俺の態度にその男は固まるが、そんな事はお構いなしに男の元へとづかづか進み、力任せに胸倉を掴んで言葉を続ける。

「こいつが漫画とかアニメ好きで何がわりィ。お前に何か迷惑掛けたことでもあったかァ?あ″あ″?答えろやァ!」
「あ、いえ...なかった、です...」
「ならテメェの女の趣味くらい黙って見守ってろォ!しかも何だァ?結婚してやってもいいだとォ?何上から目線で言ってんだクソがァ!」

正直に言うとここが一番腹が立ったところである。俺は付き合って欲しいし結婚して欲しいのに、それを何だ。してやってもいいという尊大な態度をとるコイツは何様なのだと業腹だったのだ。

「これ以上ゴチャゴチャ抜かすようならよォ...刻むぞ」
「は、はい!」

ビキビキと相手を掴む腕だけでなく顔にも青筋を立ててそう言い放つ。すると、ひゅっと縮こまる男性の両脇から、そいつを庇うように連れの男性達が現れて男性の腕を抱きかかえた。

「すみません!こいつ好きだった女の子に振られてちょっとおかしくなっちゃってるんです!」
「二度と彼女さんに近付かないように、俺らからもよく言います!だから海に沈めないでやってください!!」
「刻んで魚の餌にしないでください!」

お願いします!と懇願する連れの姿を見て、徐々に冷静になってきた。
本当に意中の女性に振られてヤケになっていた所に、昔の女が俺と楽しそうにしているのを見て、どうしようもなく絡んでしまっただけなのだろう。ブチ切れてる俺に臆しながらも庇おうとする友人達の姿を見るに、本来はそう禄でもない人間ではないのではないか。もしかしたらコイツは、未来の自分の姿なのかもしれない。
そこまで考えてハッとした。

やべェ。やっちまったんじゃねぇか。

こんなに柄悪く昔の男に暴言吐く男なんてドン引きではないのか。怖くて名字の方を振り向けない。
胸元を掴む手が自然と緩み、男性は重力に従って腰を抜かしたようにその場にへたり込む。そこへ間髪入れずに「俺達これで消えます!すみませんでした!」と友人達が男性の腕を自分達の肩に回し、担ぐようにして足早に去っていった。
それを見送れば、この後どう動くのが正解なのかと頭の中でフル回転させる。周りのカップルも「ヤクザだ...」と小声で呟くのが聞こえた。名字がどんな表情をしているのかわからず、やっぱり怖くて後ろを振り向けない。
「不死川先生」
心臓がどくりと動く。その言葉に恐る恐る振り向くものの、やはり気まずくて名字の顔が見れない。

「...悪かった」
「いえ!不死川先生は悪くないですよ。彼、本当はあんな感じじゃないんですが、多分、本当に振られたのとお酒が入ってたみたいで気が大きくなっちゃったんだと思います。別れた理由も別の事ですし。色々とすみませんでした」

やめてくれ。
そんな「うちの人がすみませんでした」みたいな態度を取られるのは、地味にくる。
すると、名字が急に笑い出すものだから驚いて顔を見れば、堪えきれないといったように破顔していた。
「ふふっ。海に沈めないでやってくださいって」
取り合えずば怒っていない様子に、少しだけホッとした。どうやら先程のやり取りの一部がツボに入ったらしい。

「どーせ悪人面だよォ...」
「すみません笑ってしまって。不死川先生は私のために怒ってくださったのに。...私のためですよね?」

どうだろう。厳密に言えばそうとは言い切れない。私怨が大半を占めているような気がする。返事がないことを肯定と受け取ったようで名字は続ける。

「不死川先生は顔も性格もこんなに優しいのに、失礼しちゃいますね。...本当に、ありがとうございました。不死川先生が色々と言ってくれたお陰でスッキリしました」
「あー...、そうなんか?それならまぁ、良かった...のか?」
「良かったですよ!」
「その...なんか悪かったなァ。今日誘っちまって」
「そんなことないですよ。私は今日、不死川先生とここに来られて良かったと思ってますよ」

それは、本心、だと思っていいのだろうか。今日こんな所で告白しようと俺が思わなければ、誘わなければ、名字が変に傷つくことは無かったのではないだろうか。
「帰りましょうか」
一呼吸置いて、妙にスッキリしたように言うものだから頷くしかない。
最早告白できる雰囲気では到底ない。
帰りの車中では気まずそうにする俺に代わって、名字がイルミネーションが良かっただの兎可愛いかっただの実家で買っている猫を思い出しただのと終始喋っていてくれたお陰で、徐々に気まずい気持ちは薄れてきた。
名字のアパート前に着き、いつものように来客者用の駐車場に車を一旦停めれば、名字はシートベルトを外したものの、動こうとしない。

「あの、不死川先生」
「な、なんだ」

やはり今日の自分に対するクレームか。それとも今後2人で会うのは止めましょうと言われるのかと思い身構えた。ごくりと唾を飲み込んで名字の方を見やれば、自分の足元をじっと見つめ少し逡巡してから口を開いた。
「あの...今度は、私から誘ってもいいですか?」
ん?と思ったが、すぐにまた特撮のロケ地巡りだなと理解した。もはや淡い期待も起きなくなってきている。こんな事をしでかしてしまったので、もうプライベートでは会って貰えないと思っていたが、一緒に出掛けてくれるならロケ地巡りでもなんでもいいやと思えた。

「あ、ああ。勿論だ。行きたい場所あったら教えてくれ。俺はあんまりそういうの詳しくないしよォ」
「ありがとうございます!行きたい場所決めたら連絡しますね」

頭をガシガシ掻きながらそう言えば本当に嬉しそうに笑うので、自分もつられて笑顔になる。途中で気まずい場面はあったものの、笑顔で別れる事が出来てとりあえずは良かった。
あー、でも今日は上がってお茶でもとは言われなかったな。やっぱりちょっとは引いてンのか。いやでもなぁと様々な思いが脳内を駆け巡り、最終的に導き出したのは、実家に帰って兄弟達に癒されようという事だった。夏休み中だし玄弥あたりは確実に起きているだろう。そう決めれば実家に向けて車を発進させたのだった。



20210506


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