お付き合いしよ!



まさかと思いバッと顔を見上げると、私と
ナンパ男の間には息を切らせた不死川先生がおり、私を守るかのようにこちらに背を向けていた。

「あー?何だよお前。邪魔すんじゃ………」
「テメェ……」
「はいっ!?」

地獄の底から響いているのではと思うその声を聞いただけで、こちらに背を向けた不死川先生が如何に怒っているかが分かった。ましてや直接顔を合わせている男性には尚更なのだろう。先程までの間の抜けた声とは一転している。
「俺の連れになんか用かァ?用件なら俺が聞いてやるぜ。オラ、言ってみろやァ!!」
先程まで私を掴んでいた腕は、いとも簡単に捻り上げられ、男はすみませんと連呼して許しを請うように悲鳴を上げていた。そこでようやく不死川先生が腕を離せば、慌てるようにしてこの場から逃げていった。
男が見えなくなってから、不死川先生はこちらを振り返り、呆然とする私に優しく声を掛けてきた。
「来るのが遅くなってわりぃ。大丈夫か?怪我とかしてねぇか?」
先程とは打って変わりこちらを労るように優しく心配する様子に、引っ込んだはずの涙が再度溢れだしそうになり鼻がツンとした。私は散々不死川先生に酷い態度をとっていたのに、どうしてこんなに優しくしてくれるのか。

「大丈夫です…助けて頂いてありがとうございました…」
「いや……冨岡は?」
「冨岡先生は、まだお手洗いに入ったままです…」

その言葉にハァと溜め息をつき、小声でアイツは何やってんだと舌打ちをした。

「冨岡の面倒は俺が見とくから、名字先生はもう帰ったほうがいい。タクシー乗り場まで送る」
「いえ、村田先生に来てもらうので大丈夫です。不死川先生は………早く胡蝶先生の所に行ってあげてください」
「待て、なんでそこで胡蝶が出てくるんだ?」
「何でって…不死川先生は胡蝶先生と付き合っているんでしょう?生徒達の間で話題になってますよ」
「そんなのは根も葉もない、くだらない噂だ」
「くだらなくなんてないですよ!現に不死川先生が胡蝶先生に告白したのを聞いている生徒がいるんですよ!」
「………はぁ?!」
「今日呑んでいないのだって、胡蝶先生を車で送るためなんでしょう?もう私は大丈夫ですから、胡蝶先生の所に行ってあげてください」

自分でそう言っておきながら、涙が勝手に流れてくる。泣くな、泣くなと必死になるも、そう思えば思うほど意志に反して余計に涙が出てきて止まらない。

「ちょっと待て、名字先生は何か誤解してる。俺の話を聞いてくれ」
「何も誤解なんてしてません!何度も諦めようとしたけど諦めきれなかった、好きだって言ってるのを聞いた生徒がいるんですよ!?もういいですから!」
「…っ!それは…」
「ほらやっぱり!身に覚えがあるんじゃないですか」
「本当に違ェ!俺が好きなのは、名字先生だ!!」

その言葉に思わず固まる。そうしてようやく不死川先生の顔を見れば、焦りと困惑が入り混じった表情をしていた。

「う、嘘だぁ…」
「嘘じゃねぇ!本当に誤解なんだ、頼むから俺の話を聞いてくれ…」

絶対に逃さないといわんばかりにがっちりと両肩を掴まれ、縋るように言われれば大人しく聞く他ない。そうして黙った私に、不死川先生はぽつりぽつりと語りだした。
確かにそういう事は言ったが、諦めきれない相手は私だという事。村田先生とガイダンスの打ち合わせで別れたあの日、あのまま胡蝶先生の所へ資料確認のため生物準備室に行けば、私の話が出て全然進展していない事を指摘されこのまま諦めていいのかと発破をかけられた事。直接私に断られるまで絶対に諦めるつもりはないと言った事。おそらくその時の会話の一部を聞かれたのだと思う、授業中だから油断していた、これは完全に自分の落ち度であり誤解を招く形になってすまないと謝られた。
更には2年前から好きで本当はイルミネーションの時も屋上の時も告白しようと思っていた事、それが叶わなかったので次のデートで告白しようとしたが、私の様子がおかしくなったので今日何がなんでも話をして告白するつもりだった事、お酒を飲まなかったのはしっかりと話し合いたかった事等を聞かされた。
そこまで聞けば先程まで止まることなかった涙が引っ込み、代わりに顔が赤く染まっていく。嘘を言っているのではないかとも思ったが、顔だけでなく耳まで赤らめている不死川先生を見て、今までの話は本当なのだろうと確信に近いものを感じた。

「まだ疑っているなら、胡蝶や煉獄、宇髄達にも聞いてもらったっていい」
「な、なんでそこで煉獄先生達が出るんですか?」
「…ずっと、相談に乗ってもらってた…」

バツが悪そうに視線を逸らしてそう言ったかと思えば、突如大きく溜め息をつき頭をガシガシと掻き出した。

「ああクソッ、本当はもっとちゃんとした場所で言うつもりだったんだ。それが結局、公衆トイレの前とか…すげぇダセェ……」

はぁと先程まで私が座っていた石垣にドスンと腰を掛けて項垂れた。先程の発言といい、場所や雰囲気に拘ろうとしてくれていたのかと思うと、猛烈に嬉しくなった。そしてこの人を愛おしいという気持ちが出てきて、そっと不死川先生の隣に腰を掛けた。私の気持ちと最近態度が悪かったことを説明して謝らねばと思っていると、不死川先生は膝に肘をつけ手に顎を乗せた状態でこちらをちらりと見た。

「名字先生は?」
「え?」
「名字先生は、俺の事、どう思ってるんだ?胡蝶に告白してたって勘違いしたから、俺に対する態度が悪くなったんだよな。それってよォ、自惚れてもいいのか?」

もう答えは出ているようなものなのだが、私の口からちゃんと聞くまでは自信がないのか、何処か自信無さそうにそう問いかける。

「俺は、ずっと名字先生だけを見てきた。もし付き合ってくれるならこの先も一生それは変わらないと約束する。名字先生のタイプと合致すると思うんだが、俺じゃダメか?」
「…私の本当の好きなタイプは不死川先生そのものです。私も…不死川先生の事が、好きです」

胡蝶先生に嫉妬して、不死川先生に八つ当たりしてイヤな女になるくらいに。そう続ければ不死川先生はホッとしたような顔をしてから、心の底から嬉しそうに笑い、左手で私の頭をそっと撫でた。
「付き合ってない女性にこういう事するのは、セクハラだって言われてよ。でももう良いよなァ」
優しく何度も撫でられ、撫でられた端から不死川先生の暖かさがじんわりと滲んでくる。
「あー、すげぇ長かったァ……ずっとこうして触りたかった」
手からだけでなく、視線からも慈しみ愛おしく想ってくれる気持ちが伝わってくる。優しく撫でる手に、そっと自分の手を重ねれば、不死川先生がそのまま私の手を取り指を絡ませる。右手で優しく私の頬に触れ、不死川先生の端正な顔が近付く。そっと目を閉じてそれを受け入れようとした。が。

「不死川…」

その言葉にギョッとして声のした方を振り向けば、先程より幾分が顔色が良くなっている冨岡先生が立っていた。

「……冨岡ァ、お前ワザとか?今までの全部ワザとか?」
「すまない……だが少しでも意識があるうちに帰りたい…」
「と、冨岡先生、大丈夫ですか?」
「だいぶ出せてスッキリした…すまないが水が欲しい」
「はぁーーー……ならタクシー乗り場に行きがてら買ってやるよ。ったく仕方ねぇな、歩けるか?」

不死川先生はそう言うと冨岡先生の腕を自分の首に回し、しっかりと抱きかかえた。
慌てて不死川先生に鞄を持ちますと伝え、私は冨岡先生と不死川先生の鞄持ち係になる。亀の歩みのようにノロノロと進み、途中の自販機で買った水を渡せば冨岡先生は
一口一口噛み締めるように飲んでいった。

「不死川…すまない…」
「あぁ?てめぇの面倒をみるなんてもう慣れっこだ」
「それもあるが…俺はお前に幸せになって欲しいと思っている。だから、名字先生との仲が拗れた今、なんとかしたいと思ったのだが、結局こうして2人に迷惑を掛けてしまった…名字先生も、すまない…」
「いえ、そんな。冨岡先生謝らないでください!」
「名字先生、不死川は本当にいい奴なんだ…料理は上手いし、言えば5回に1回は鮭大根だって作ってくれるんだ…」
「結局食い物かよォ……まぁ、でもよ。ありがとな。つーか、お前は酔っ払ってる方がよく喋るよなァ。ずっと酒呑んでろよ」
「無茶を言うな……」

そうしてやっと着いたタクシー乗り場で、冨岡先生を後部座席に座らせ、そのまま私も座り込もうもしたが、不死川先生に腕を優しく掴まれ、外に出るように誘導された。なんだろう?冨岡先生の隣に不死川先生が座るのだろうかと考えていると、住所を運転手に伝え、自分の財布から万札を取り出し、釣りはいらないから、コイツを家までしっかり送り届けてほしいと伝えてタクシーを見送ってしまった。

「タクシー行っちゃいましたけど…」
「そうだなァ」
「えっと…」

なぁと不死川先生が私の腕を離したかと思えば、そのまま下降して手を絡め取り優しく力を入れてきた。
「名字先生が嫌なら別のタクシーを見つけて家まで送るけどよ、もし嫌じゃないなら、俺と一緒にいてくれねぇか?朝まで」
その言葉が意味する事が分からぬ程子供ではない。それに応えるように私も握り返せば、不死川先生は学校では見たことがないくらい嬉しそうに笑った。つられるように私も笑い、どちらともなく歩き出した私達は、夜の街に溶け込んだのだった。


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翌日の早朝、朝だから一人で帰れると言う私に、昨日あんな事があったんだから絶対に家まで送ると言い張る不死川先生に根負けして送ってもらうことになった。早朝のガラガラな電車に2人で座っても尚、不死川先生は手を離そうとしなかった。そうして自宅アパートの玄関前まで送ってもらったが、それでも不死川先生は手を離さない。

「家まで送って頂いてありがとうございました」
「ああ」
「えっと、もう大丈夫なので、その…手を」
「ああ…そうだよなァ」
「秋とはいえ汗もかいたことですし、不死川先生も服とか着替えなきゃだからお家に帰った方が…」
「一緒に風呂入って汗は流したけどなァ」
「なっ…もう!そういう事じゃありません!」
「ははっ。わりぃわりぃ。…なぁ、今日と明日は何か予定あるのか?」

こんな子供っぽい笑い方もするのねと新しい発見に胸を踊らせながら、何もないですと伝えれば、不死川先生は提案をしてきた。
「なら一旦家に帰って着替えてくるからよォ、またここに来てもいいか?一緒にいてぇ」
明日の予定も聞くということは、もしかして今日の夜泊まっていくのだろうか。聞きたい気もするが期待しているようで聞くのは少し憚られる。小さく頷けば不死川先生は優しく頭を撫でてすぐに戻るからと言い残して帰っていった。
しばらくして、宣言通りおそらく最速と思われる時間で不死川先生は車でやって来た。これから恋人として過すであろう時間にドキドキしていたのだが、後程私の部屋にある履歴書と求人雑誌、そしてスマホにインストールしたマッチングアプリを見つけ、これはどういうことだと膝を突き合わせて話し合いが行われる事になるとは、この時の私は知る由もない。


そんな週末を過ごしてから迎えた月曜日。出勤途中で飲み会で隣の席だった先生に遭遇し、そのまま一緒に学園へと向かった。

「名字先生、金曜日はごめんなさいね。あの後冨岡先生大丈夫だった?」
「はい。不死川先生も来てくださいましたし」
「ああ、良かった。不死川先生間に合ったのね。タクシー乗り場まで名字先生の事を探しに来てたのよ」
「え、そうだったんですか」

それは初耳だ。だから私の場所が分かったのかと納得していると、先生は思い出し笑いなのかうふふと微笑んだ。
「名字先生の事を教えたら、慌てて走っていったのよ。あんなに必死に速く走る不死川先生初めて見たわ」
その言葉に頬が熱くなる。あの不死川先生が自分のためにそこまで取り乱してくれたのかと思うと、ああ愛されていたのだなと実感する。

「その様子だと不死川先生と仲直り出来たみたいねぇ」
「え?」
「喧嘩中だったんでしょ?最近の2人の様子がおかしかったからすぐに分かったわぁ」
「えっと、喧嘩中というかなんというか…」

口籠る私に大丈夫、無理して言わなくていいわよとやんわりと制してくれた。

「まぁ色々とあるわよね。不死川先生ならちゃんと話せばわかる人だから大丈夫よ。名字先生の事が好きで好きで仕方ないみたいだしね」
「そう、ですか?」
「そうよ!名字先生の事を見る目が他の人と違うもの。岡目八目っていうし、そういうのは周りの方がよくわかるものなのよ」

国語教師らしい物言いに、そういうものなのだろうか、自分ではいまいちわからず「はぁ」と返事をすれば、きっとそのうち分かるわよ。私には懐かしいわぁと楽しそうに笑っている。そのまま2人で取り留めもない話をしながら正門を過ぎ、職員用玄関に着けば不死川先生とばったり会った。じゃあ私は先に行くわねと、気を利かせてなのかなんなのか先生は1人さっさと行ってしまった。残されたのは不死川先生と私の2人。

「おはようございます」
「はよォ」

結局不死川先生は土曜日の夜お泊りしていき、日曜日の昼前に実家に顔を出すからと帰っていった。離れていた時間は1日にも満たないのだが、それでもこうして会えば会いたかったと思える。不死川先生もそう思ってくれているのか、私の顔を見て嬉しそうに挨拶をしてそっと頭を撫でた。

「ちょっ!先生、此処は学校ですよ」
「あー、わりぃ」

周囲に誰もいないだろうかと慌てて見回す私とは反対に、勝手に手が動いちまったと悪びれもない様子で笑みを浮かべる不死川先生を見れば、好きで好きで仕方ない眼差しというのがなんとなくわかった気がする。今私が不死川先生を見つめる眼差しも、もしかしたら見る人が見ればそう思うものなのだろうか。それはなんだかちょっぴり恥ずかしいなと思っていると、いつの間にそこにいたのか、用務員の鱗滝さんに話し掛けられた。

「名字先生、今いいだろうか。この前言っていた屋上の柵の事だが」
「は、はい!」

では、と不死川先生と別れ、いかんいかん。ここは学校だと自然とニヤけてしまいそうになる顔に喝を入れ、仕事モードに切り替えたのだった。


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近年稀に見る気分の良さだ。
数学準備室で次の授業の準備をしている最中だが、鼻歌を歌いたい気分になるほどである。
晴れて名前と想いが通じ合い恋人同士になれた上、週末は早速濃密な時間を過ごす事ができた。もう恋人同士なんだから問題ねぇよなと何かにつけ名前に触れていれば、流石にがっつき過ぎだろうかとブレーキが掛かった。だが嬉しそうに受けいれている名前を見てブレーキは壊していいなと判断した。
泊まるつもりで荷物を纏めて名前の家に行けば、買い物に出ようとしている所だった。最近忙しかったのであまり冷蔵庫に物が入ってないんですと、恥ずかしそうに言う名前に、ならせっかくだから昼飯を食いがてらちょっと遠くのショッピングモールに買い物に行こうと提案した。
ついでにお互いのアパートに置いておく用の部屋着やら歯ブラシやらも買っていこうと言えば、恥ずかしそうに頷く名前を見て、ああ可愛い。やっぱり部屋でイチャイチャしたいと思ったのだが、そこは夜のお楽しみに取っておこうとぐっと我慢した。
2人であれやこれやと選び買い物をしていれば、もう同棲してもいいんじゃないか?いや、いっそもう結婚してもいいのではと思うほど浮かれきっていた。だが名前の家に戻り履歴書と求人情報誌を見つけ時は固まった。これはどういう事だと説明を求めれば名前は忘れてた!という顔をし、ポツリポツリとそれらを買った経緯を話してくれた。
全ては誤解だったのだしもう転職する必要はないなと、履歴書と求人情報誌は預かった。そりゃあ本当にやりたい事があるなら応援する。だが下手に転職して忙しさのあまり擦れ違い、なんて事はゴメンだし更には新しい職場で好きな人が出来ました。なんて言われたら悔やんでも悔やみきれない。付き合えた以上、絶対に名前を手放す気はないのだ。

僅かに漂った気まずい雰囲気は霧散し、今度は何処にデートに行こうかという話に変わった。行きたい所をスマホにメモしてあると嬉しそうに言う名前を見て、はぁ、マジで可愛い。もう何処だって連れて行く。なんなら泊まりでもいい。そうだ温泉旅館でしっぽりとするのも悪くない。後で調べておくかという穏やかな気持ちは、スマホのホーム画面を開いた時に見えたマッチングアプリにより消えた。
思わず出た「あ”ぁ”?」という言葉に、スマホを握りしめたまま固まり、汗が出ている名前。これはどういう事だ、俺じゃ満足出来なかったのかと問い詰め重い空気がしばらく続いた。だがその誤解も解けて俺の手でアンインストールをした後は、今度こそ家を出るまで甘い時間が過ごせた。
今週末は俺の家に来てもらおう。お泊り用の部屋着を買ったのだが、せっかくなら俺の部屋着を着ている名前も見たい。絶対に可愛いはずだと口元が少し緩む。

「ド派手に浮かれてんなぁ、不死川センセー」
「宇髄ィ…なんの用だ」

突然の宇髄の出現に一瞬驚くもすぐに冷静になる。こいつがこんなにニヤニヤしている理由をなんとなく察して早く会話を切り上げたいと思った。

「ようやく名字と付き合ったんだな。おめでとさん」
「まぁな。よく分かったな」
「いや、分かるわ。俺らだと冨岡以外は皆分かってるんじゃねぇの?」

そこまでか。少し浮かれすぎていたなと冷静になるべく気持ちを落ち着けようとした。

「長かったなー、ラブホの件が春だったろ?それからだから…うわっ、おっっっそ!俺があんだけ協力してやったのに結局半年も掛かってんのかよ!」
「うっせぇな!感謝してるわァ!」
「あーあ。しかしこれで不死川をからかうネタが減っちまった。俺はそれが寂しいぜ。まぁ今度から名字の事をからかうか」
「…おい、名前をからかうのは絶対にやめろよ。万が一にもそういうのが嫌で俺と別れるなんて事になってみろ。今後テメェの恋愛は俺が全てぶち壊していくからな」
「いや、全然笑えねぇわ。お前だと本気でやりかねねぇし」
「そもそも人で遊ぶんじゃねェ!」
「まぁまぁ。ともかくよ、頑張ったな不死川」

何だかんだ言いつつも、目の前のこの男の助力無しにはここまで至ることはなかっただろう。今度飯でも奢ってやるか。そして、冨岡にも鮭大根作ってやろうと密かに思ったのだった。



20210629


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