2021/05/10

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「煉獄先生ー!お誕生日おめでとうございまーす!」

数人の女性生徒達の賑やかな声が職員室内に響き、朝から賑やかな事になっている。
それもそのはず。今日は学園内でも人気が高い歴史教師である煉獄杏寿郎先生の誕生日なのだ。職員室に入ってきてお祝いをする強者もいれば、授業の前後、移動中などひっきりなしに話しかけられ、男女問わず生徒達からお祝いされている。その様子から煉獄先生の人望がいかに高いかが伺える。

「煉獄先生〜、さつま芋のお菓子あげる〜」
「うむ、ありがとう!だが物が無くてもお祝いをしてくれる君のその気持ちがとても嬉しく思う!有り難く頂戴しよう!」

生徒達からちょっとしたお菓子を貰い、嬉しそうに礼を言えば、渡した生徒の方が笑顔になるのだから彼はすごい。
退勤時に職員用玄関でバッタリ出会った彼の手には、生徒達からのプレゼントでいっぱいになった大きい紙袋が握られていた。

「煉獄先生、すごい量ですね」
「ああ!とても有り難い事だ!1つ1つ大事に食べなくては!ところで今日は俺の誕生日なのだが!!」
「え?あ、はい。そうですね。煉獄先生、お誕生日おめでとうございます」

脈絡もなくそう言われるものだから戸惑ってしまった私はおかしくないはずだ。

「ありがとう!生徒達にお祝いされるのも勿論嬉しいが、君に祝われるのが一番嬉しく思う!」
「へ?」

予想だにしない煉獄先生の言葉に、変な声が出てしまい恥ずかしくなる。と、同時に自惚れた気持ちが湧き出てきて顔が赤くなってしまった。

「えっと、その...もし良ければ今度ちゃんとお祝いさせてください」

そう言えば、煉獄先生は今日一番ではないかと思うほどニコリと破顔したのだった。




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