2021/05/09

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「お袋、俺と玄弥で就也達の面倒見とくから、今度の日曜日に美容院に行ったらどうだァ?そろそろ行きたいって言ってたろォ」
「日曜日?...あ、うふふ。そうやねぇ、そうさせてもらおうかしら」

お袋はカレンダーを見て察したようで、ぱっと花が咲いたような笑みを浮かべた。


当日は午後に予約を取り、俺が美容院までお袋を送り届けた後、そのまま寿美、弘、就也達と買い物をするためスーパーへと赴いた。夕飯にする予定のカレーの具材を買い込み帰宅してから料理を作り始める。カレーは弟や妹達でも教えれば簡単に作れる上、大量に出来て美味しいため不死川家では重宝しているのだ。
玄弥、貞子、ことは室内の装飾係だ。折り紙で作った輪っかをつなぎ合わせたものや、カーネーションを次々と至る所に貼っていく。それらを行いながら、1人ずつお袋へのメッセージを色紙に書いていけば、
そろそろ美容院が終わる時間になった。

「じゃあ兄ちゃん達、そろそろ迎えに行ってくるからな」
「はーい!気をつけてね」
「お母さん喜んでくれるかな?」
「ああ、喜んでくれるといいなァ。じゃあ玄弥、花屋に行くのは頼んだぞ」
「任せてよ、兄貴」

ドキドキと不安が入り混じることの頭を優しく撫でてから、玄弥にそう言って玄関を出た。
自分達がお袋を連れて帰宅したら、そんな不安も消し飛ぶくらいお袋は喜んでくれるだろう。そうして少し早い夕食を食べながら、頑張った所を母親にアピールするであろう弟や妹達の姿を想像すれば自然と頬が緩む。

お袋にとって、今日が更に良き1日となりますように。


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手巻き寿司パーティーと悩んだけど、実弥さんが指揮を取るならカレーかなと。サラダとかもしっかり作ると思います。



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