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● 永遠と一日
140文字SS×2

昨日、部隊を辞めた。明日には実家に戻る。そして今日は、恋人として過ごせる最後の日。海に行こっか、とタマキが言うので、昔の歌謡曲のように春色の汽車に乗ってふたりで海に来た。晴れて良かったな、とタマキが綺麗な笑顔で俺を振り返る。ありがとな、カゲミツ。俺は少し泣きそうになりながら頷く。

そんなシケた顔すんなよ、と笑いながら靴と靴下を脱いだタマキは、二度と会えなくなるわけじゃないんだしそれに今日だってまだまだ終わらないよ、と言って裸足を海水に浸した。冷たくて気持ち良いとはしゃぐタマキの姿を見ながら、俺はふと昔見た映画の題名を思い出した。今日の長さは『永遠と一日』。
2014/07/06 01:11

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テーマ「人外ファンタジー」
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