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初めて会ったときに、ビビッときたんです。

テレビに映る新婚さんを見ながら昼食のラーメンを啜る。ずるずるずる。はあ、そういうもんかねえ。隣で同じくラーメンを啜るはじめに問いかけてみる。さあな、と予想通りの答えが返ってくる。ずるずるずる。


「まあ、俺はなかったな」
「え、そうなの」
「お前はどうなんだよ」
「まあわたしもなんだけど」
「なんつーか、」


気づいたら一緒だった、と。タイミングも抑揚もぴったりで、二人して吹き出した。


「マネすんなよ」
「はじめこそやめてよ」
「はあ?今のは俺の台詞だべや」
「だってわたしもそう思ってたんだもん」


わたしたちはとにかくよくハモる。家族とさえこんなにはならないのに。話し始めも話の途中も、その度にこうして笑ってしまうのだ。


「なんでこんなによくハモるんだろうね」
「さあな。ここまでハモるとキモいな」
「そこは運命だなって言うとこでしょ」
「言うかよ、あいつじゃあるまいし」
「うん、わたしも言われたら殴ると思う」


"あいつ"で同じ人を想像しているのは間違いない。頭のなかでとあるイケメンを思い浮かべながらラーメンを啜る。麺を粗方食べ終わって、楽しみに取っておいた玉子をいただく。ぱくり。うーん、おいしい。やっぱり玉子は白身だな。ちなみに残った黄身はというと、


「ん、はじめ。玉子」
「おう、サンキュ」


白身を剥がされてむき出しになった黄身ははじめのもとへ。玉子の白身が好きなわたしと、黄身が好きなはじめ。うん、なんだかぴったりじゃないか。おいしそうに黄身を食べるはじめを見てぼんやりとそんなことを思ったりする。


「ん、なんだよ」
「んー?なんでもない」
「あっそ」


目線をテレビに向けなおして、こっそりちょっとにやける。幸せだなあ。呟いたらきっとまたハモるだろうから言わないけどね。

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