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「マジもう帰れ」
「嫌っス!俺今日こそは黒子っちもらうまで帰らないっスよ」
「だからテッちゃんはやらんと言ってるだろ」
「そこをなんとか!」
「しねぇよ」


海常高校バスケットボール部員兼モデル黄瀬涼太…残念なイケメンである。ことあるごとにあたしの(うちのチームの)テッちゃんを引き抜こうとする。もうこれで何回目だろうか、ちなみにテッちゃんに断られたり火神くんにつまみ出されたりして一度も成功したことはない。いい加減諦めて欲しい。お前を退治するのにこっちはどれだけの労力を費やしてると思ってるんだ。


「ん、あれ…黄瀬くんまた来たんですか」


どこからともなく現れたテッちゃんに黄瀬はびくっと肩を震わせた。フッ、あたしは初めからテッちゃんがどこにいるか分かってたよ!


「黒子っち!今日黒子っちに会うために仕事頑張って早く終わらせて来たんスよ!」
「ドヤ顔で言うの止めて下さい」
「冷たい黒子っちもいいっス!」
「何なのお前Mなの」


毎度毎度ご丁寧に断られてるのにめげずに何度も来るなんてこいつある意味すごい精神力の持ち主だなオイ。


「とにかく、今日は無理矢理にでも黒子っちを連れて帰るっス」


宣言どおり黄瀬はテッちゃんの腕を掴んだ。あたしのテッちゃんを連れて帰るだと…!?んなことさせるか!あたしは反射的にテッちゃんのもう片方の腕を掴んだ。


「離せ黄瀬!テッちゃんはあたしの嫁だ!」
「違うっス!俺の嫁っスよ!」


ぐぬぬ…さすがキセキの世代の一人、力では勝てそうにない。だがしかし諦めてなるものか!お前のような駄犬にあたしのテッちゃんは渡さねぇ!


「ちょ…っ、あの、痛いです」
「黄瀬離せ!マジ離せ!」
「なまえっちこそ離したほうがいいっスよ!」
「痛…ちょっと、あの…」
「テッちゃんはあたしの嫁!」
「黒子っちは俺の嫁っス!」
「ちぎ…れる…」
「黄瀬離せマジ離せ、今すぐ離さなかったら海常の笠松とかいうキャプテンとお前との写真を合成していちゃこらさせてマスコミ各社に送ってやるよ。そうされたくなければ今すぐ離せそして帰れ二度と来るな。もしくはロケットにくくり付けてやるから大気圏で焼け死n「だぁああ!お前ら何やってんだ!黒子が死ぬ!今すぐ離せ!」


突然あたしたちのテッちゃんをめぐる争いに割り込んできた火神くんは、物凄い力と速さでテッちゃんを救出した。さすがアメリカ帰りは違うね。


「火神くんナイス!」
「ナイスじゃねえ!見ろ、黒子死にかけてるじゃねえか!」
「…火神くん、ありがと…ござい…ま…す」
「ごめんね、テッちゃん…!」
「許します」


ああなんて優しいのテッちゃん。火神くんが止めてくれなければあたしはあのままバスケットボールをする上で命ともいえる大事な腕に怪我を負わせてしまっていたかもしれないのに…。一生ついて行きます!


「黒子っち…申し訳ないっス」
「許しません。腕がちぎれるかと思いました」
「え、なんで俺だけ!?」


そうだそうだ!元はといえば黄瀬がテッちゃんを無理矢理連れて帰ろうとしたのが悪いんだ。テッちゃんに一生懸けて謝れ。


「あとずっと言いたかったんですけど、僕は誰の嫁でもありません」
「そっ、そんな…!」
「じゃあ俺はどうなるんスか!」
「お前は初めから分かってただろ」




「僕は夫です、そしてなまえは僕の嫁です」


テッちゃんありがとう、あたしもう死んでもいいよ。すごい勢いで通る液体を鼻に感じながらあたしは意識を手放した。

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