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みょうじ家と剣城家はわたしの家が隣に引っ越したころから家族ぐるみの付き合いをしている。剣城家には男の子が2人いて、わたしはその兄弟のちょうど真ん中くらいの歳ということもあり、いつも3人で遊んでいた。いわゆる幼馴染みだ。美人な兄弟と幼馴染みだなんて鼻が高いぜ。まあわたしが2人の美人さを際立たせてやって…すいません、調子乗りました。まあとにかく、仲がいいってことです。勝手に家に入れちゃうくらい。


「京おかえりー」
「帰れ」
「ひっど!それが幼馴染みに言う言葉か」
「人の部屋に勝手に入ってきたやつにはぴったりの言葉だ」


なんて正論!畜生そんな容姿でさらっと正論言っちゃう京も素敵だよ!


「それになんで勝手に俺の服を着てるんだ」
「えー…あったから?」
「あったから?じゃない。今すぐ脱げ」
「きゃー!京えっちー」
「お前な…もうそのままでいいから帰れ!」
「やだよーん、今日は剣城ママのロールキャベツ食べて帰るから」


お教えしよう!剣城ママのロールキャベツは絶品なのだ!ほっぺが落ちるとはまさにこのこと、3つ星シェフもびっくりのおいしさなのである。


「食ったらすぐ帰れよ」
「んーどうしよっかなあ」
「頼むから帰れ」


えーどうしよう。だってほんとはこのあと剣城ママのロールキャベツ食べて、京のベッドで漫画読みながらゴロゴロしようと思ってたのに。京ってば中学生になってからわたしに冷たいんだから。前はわたしが帰るって言ったら(いっても隣だけど)泣いて嫌がったのに。ああ懐かしい。素直な京カムバック。


「京介ーなまえちゃーん、ご飯よー」
「今すぐ飛んで行きます!!!」


やった、ついにきた剣城ママのロールキャベツ!腹の虫が鳴ってるぜ!ドアを開けて階段をリズムよく降りると、いい匂いが鼻をくすぐった。



* * *



今日も相変わらず美味しいロールキャベツでしたまる。というわけでご飯を食べてお腹いっぱいになったわたしは京の部屋でゴロゴロしてます。


「おい、晩飯食ったら帰るって言ったろ」
「え、そんなこと言ったっけ?」
「…もういい。風呂入って来るからその間に帰れよ」
「わかったわかった」


ふはははは、誰が帰るか。ここでお風呂上りの京を出待ちするに決まってるだろ!いつもツンツンした髪の毛がしっとり濡れて水滴が滴ってるとこなんてもう鼻血もん。それに意外と髪の毛も長いんだぜ!いつものクルクルもみ上げも一時的に真っ直ぐなんだぜ!それに、


「おい、変なこと考えてないだろうな」
「滅相もございません!…おっと鼻血が」
「帰れ今すぐ帰れ」

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