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「これでどうっすか」 「まあ悪くはないのだよ」
緑間くんにもらったベンチを担いでみました。ものっすごい軽いんだけど、デカい野生児がこんなもの軽々と持ってたらやっぱりいろいろ問題があると思うんだよね。まあ緑間くんのうしろにお花が見えるくらい喜んでいるのでよしとしよう。おは朝信者を見つけて喜んでおられる。この際これはいつ特注したのかには触れないでおこう。
「では俺は帰るのだよ」 「え、もう帰るの?」 「高尾を待たせている」 「やっぱりな!!!!」
やっぱり来てたんだね高尾くん。わざわざ軽井沢までお疲れ様です!ベンチとかベンチとかありがとうございます!どうぞこのあとは心ゆくまで軽井沢チャリアカーデートをお楽しみください。どこかに隠れているであろう高尾くんと早くデートに行きたいであろう緑間くんに気を利かせてお礼と挨拶を済ませて家に入ろうと思ったのも束の間、今まで空気よろしく黙っていた大輝が突然緑間くんの腕をつかんだ。しかもメンチを切っている、なんで。そしてなんだこのいいとこの坊ちゃんを恐喝してるような図は。怖い顔してるだろ。ウソみたいだろ。わたしの顔なんだぜ。
「緑間、ちょっと面貸せ」
緑間くん、貸したらあかん。
(何なのだよ、俺は急いでいる) (いいからちょっと来いよ) ((違和感ないのが一番ツライ))
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