おいおいそりゃないぜ | ナノ



庭に行くとそこにはチャリアカーに乗ったベンチ。待って、突っ込みどころ多すぎる。じゃあ順序だてて突っ込んでいこう。

まずベンチ、なんでバス停とかにあるレトロ感漂うやつ?わたしはアウトドアとかで使う折り畳みできるタイプのやつを想像してたよ。いつもラッキーアイテム持ち歩いてる割にそういうとこおバカさんだね、緑間くん。いやわざわざ用意してもらっておいてこの言い様とか申し訳ないんだけどね、うん、おバカさん。

次にこのチャリアカー。これを利用してる人は緑間くんを除いて一人しか知らない。奴か、奴がどこかにいるのか?!…って待て待て、ここは軽井沢だぞ。まさか東京から軽井沢までチャリアカーで、しかもベンチと緑間くんを乗せてきたというのか。ありえない…しかしヤツならこの不可能に思えるミッションを遂行しかねん…なんかもうわたしが12位だったばっかりにすみません、申し訳なさ過ぎるわ。


「心の底からありがとうございますなのだよ」
「べっ、別に大したことないのだよ!それより真似をするな」


急にデレ到来。なんだこのテンプレのようなツンデレは。このツンデレにヤツはやられたんですねわかります。実際わたしもちょっとキュンとしました。なんだか入れ替わってから忘れかけた胸キュンを取り戻しつつありますまる。


「おーおー緑間ァ、わざわざこんなもん東京から持ってくるとかお前暇なんだな」
「うるさいのだよ青峰。お前はこの折り畳み傘だ」
「なんか俺のだけショボくねえか?」
「ラッキーアイテムに文句を言うな」


マジそれな。ラッキーアイテムがベンチだったやつのこと考えたことあんのかコラ。折り畳み傘だったら通り雨に降られたときとかに活躍できるじゃん。ベンチって何。ベンチって何。大切なことなので2回言いました。ベンチがあれば疲れたときに休憩できるじゃん!…とはならない。ベンチを持ち歩くことのほうが疲れるじゃないか。っていうかそもそもベンチって持ち歩けるの。


「緑間くん、質問。ベンチってどうやって持ち歩くの」
「別に好きなように持ち歩けばいいのだよ」
「いや、これ持ち歩くとかの次元じゃないって」
「うるさい。とにかく持ってみればわかるのだよ」


早く持てと催促してくる緑間くんはちょっと怖い。持つよ、持てばいいんでしょ。なんだろう、物は使ってこそ完成する的な、ラッキーアイテムは持ってこそみたいな考えをお持ちなのだろうか。しぶしぶベンチに手を掛けて持ち上げ、うわっ


「軽っ?!?!!」
「ふっ、軽さと丈夫さを追求した特注品なのだよ」


そしてこのドヤ顔である。





(緑間くんすげえ!何者!!!)
(こっこれくらいなんてことないのだよ)
(お、俺も…!(持ちてえぇぇぇ!!!))


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