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ところ変わってスーパー。どうやらこのスーパーはわたしの知っているスーパーではないらしい。見渡す限りマダァム。お買い物メモに書かれたグリフォンの羽、人魚姫の涙、一角獣の角もあるんじゃないかっていう気がしてきたよ不思議。とりあえず習慣的にカートにカゴをセットして店内を物色し始める。ふむふむ、生ハム切り落としてくれるんですか。へえ。あ、いや、うちはいいです。って、こんなガングロがカート押してる姿って相当コワいんじゃない。
「じゃあ俺試食回ってくるからなまえは探しといてくれ」 「は?!いやいや何言って…」
ぴゅーんという効果音がつこうかというほどの勢いで走り出した大輝の姿は、スーパーに着くなりお菓子コーナーに走る子どもを彷彿とさせた。おお、わたしってあんなに素早く動けるんだ。筋肉痛はどこへいったよ。なんだかここ数日で食事の占める割合が多すぎる気がするんだよ。はっきり言っちゃうと多いよ。もういつもより確実に多い摂取カロリーとかそういうことは諦めて、普段より多いであろう運動量でチャラになることを祈るばかりである。
「……探そ…」
一人とぼとぼと現実にあるはずもない錬金術の材料を捜し求める。高級スーパーで。なんかこういうのスパイスコーナーとかにありそうだな。思いつきで向かったスパイスコーナーの棚を凝視するも、そんなものあるわけもなく。わたしは一人盛大にため息を吐くのであった。
(クミンナツメグサフランガラムマサラ…) ((なまえが謎の呪文を唱えてやがる…!))
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