おいおいそりゃないぜ | ナノ



こう、なんというかね、人には物事を受け入れるキャパシティがあると思うんですよ。


「ファンタジーにも程があるわ」


黒子くんの口から出たのはわたしには耳なじみのない言葉の羅列だった。いいですか、誰がグリフォンの羽やら人魚姫の涙やら一角獣の角なんて言葉が出てくると思いますか。そして最後の最後にこれらを錬金って…赤司くん…相当こじらせてるな。ていうか一角獣の角って、一角しかないのにそれを取っちゃうなんてひどい。


「ということなので、僕帰りますね」
「そんな到底不可能なことだけ言い残して帰るおつもりか」
「僕もこれ以上首を突っ込みたくないので」
「こんの薄情者ぉ…2軍時代の恩を忘れたか…」
「僕過去は振り返らないタイプです」
「いいように言いやがってえええ!」


なんとしてでも元に戻りたいわたしはもう藁をもすがる思いである。黒子くんがどんなに卑劣なゲス野郎だとしてもここは協力を仰がねばならん。


「おい黒子ー、このグリフォンの羽ってやつスーパーに売ってんのか?」


大輝本気でちょっと黙ろうか。





(ありますよ、探してください)
(ちょっと大輝そういうの本気にするんでやめてほしいな。マジで)
(よーしなまえ買いにいくぞ!)
((黒子くん末代まで呪ってやる))


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