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「ねねね、青峰っち!なまえっちとどこまでいったんスか?!」
黄瀬はなまえが出て行くなり目を輝かせてずいっと近づいてきた。こいつこれ聞くためにここに来やがったな。なまえより女子か。
「なんもしてねえよ」 「え?!あの青峰っちが?!どういうことっスか!」 「お前は俺を何だと思ってやがる」 「性欲の塊」 「おーし歯ァ食いしばれ」
黄瀬が冗談っスよ!と慌てて弁解しているがお構いなしに腹を殴ると、げふっとくぐもった声がした。なまえのひょろい腕でこれだけの威力があれば十分だろう。さっき俺の身体とはいえなまえにベタベタ触りやがった罰だ。俺にベタベタ触ってもなまえの身体に触ってるわけだからその場でみぞおちにエルボーを食らわせてやるが。とりあえず人間サンドバッグのおかげでなかなかスッキリした。しかし筋肉痛。しばらくして床に転がっていた黄瀬が復活してきた。ある意味無敵だなこいつ。
「なんで何もしてないんスか?」 「お前自分の顔したやつとヤれんのかよ」 「…ムリっス」
状況を察したらしい黄瀬は同情の目を向けてきた。こいつにこんな顔をされるのはなまえと付き合うまでバスケ一筋すぎて誰とも付き合ったことがなかったと言ったとき以来だ。…こいつ、
「調子乗ってんじゃねぇええ!!!」 「え、ちょっと待、ぐふぅ」
またつまらぬものを殴ってしまった。
(おーい黄瀬、生きてるかー) ((あれ、お花畑が見えるっス))
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