おいおいそりゃないぜ | ナノ



「ぐ、ぐおお…筋肉痛が…」


あのあと結局赤司くん指定の練習メニューを専用体育館できっちりこなしたわたし。やっぱり大輝の身体は凄いもので、練習というかトレーニング自体はきつかったもののまだ少し余裕が残っている。ただひとつ言えることは、赤司くんがいなくてよかった。いたらきっと今ごろ足腰が立たなくなってるだろう。

さて、わたしと対照的に毛虫のように床を這っているのが大輝だ。わたしのコーチとして指導してくれたのはいいが、なんせ運動音痴のわたしの身体だ。ほとんど使っていない身体はすぐにガタがきて、それは筋肉痛として現れた。運動したあとすぐにくるあたり、まだまだわたしも若いな。


「どうやったらあんだけの動きで筋肉痛になんだよ」
「簡単なことだよ、食べて寝るを繰り返せばいい。ただそれだけ」
「それ威張ることじゃねえから」
「毛虫くんに言われたくないね」


お前が普段から運動しねぇからこんなことになってんだからな?!とツッコまれたが気にしない。確かに図星だが、大輝だって運動が出来ない人の気持ちがわかるいい機会じゃないか。しかし毎度毎度わたしの身体で変な動きをするのをやめてほしい。なんともいえない気持ちになる。


「あーマジいてー。歩きたくねー」
「あ、そうだ。そんなに痛いならさ、」


床に横たわる大輝をよっ、と軽く持ち上げた。いわゆるお姫様抱っこである。大輝はやめろ下ろせと手足をじたばたさせたがそこは大輝の身体だ、ぐっと力を入れてがっちりホールドすれば大輝は身動きを取れない。うーん、わたしもうちょっと痩せた方がいいかもしれない。


「これでどうだ!」
「俺のプライドが!やめろ!下ろせえええ!!!」




(大輝のためを思ってしたのに)
(お前に男が女にお姫様抱っこされる気持ちがわかるか?!)


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