おいおいそりゃないぜ | ナノ



「大輝の母ちゃんびーじーんー」
「なまえの母ちゃん飯うーまーいー」
「それ悪口じゃないよ」
「なまえもだろ。もう言うことねーよ」


わたしの個人的なヒステリーから始まったケンカは、わずか10分と経たないうちに幕を閉じた。仕方ないじゃないか。だってもう言うことがなくなってしまったのだから。はじめはわたしの身体で変なことするな、俺の身体で変なこと言うなとどうしようもないことばかり言い合っていたのが、最終的にこれだ。頭の悪いわたしたちは悪口すらろくに思いつかないのである。


「それにしてもお前ほんと運動嫌いだな」
「だって出来ないし」
「出来んだろ、俺の身体なんだから」


どんな自信だよと思いつつ、言い返せないのも事実。確かに昨日の朝走ったときはなかなか気持ちよかったけど。あーでもなーしんどいことは嫌いなんだよ。いくら大輝の身体とはいえ、あれだけの量をこなせば体力的にきついはずだ。けど赤司くんに従わなかったら…考えただけでも恐ろしい。天然とおぼしき芝生に腰を下ろしてああだこうだと悩んでいると、ぽん、と頭に手が乗った。


「俺が見てやるから頑張れ、な?」


ああもうこういうのは大輝の声で聞きたいんですけど!そう思いつつ結局頷いてしまうわたしなのであった。




(俺が手取り足取り教えてやるよ)
(なんか違う意味に聞こえるのはなんで?!)


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