おいおいそりゃないぜ | ナノ



カーテンの隙間から差す光で目が覚めた。いい目覚めだ。寝ぼけ眼を擦り、ベッドから起き上がろうとしたとき、ふと違和感を感じた。…わたし、こんなに肌黒かったっけ。いや、わたしは一応白いほうの分類に入るはず。こんなガングロはわたしが知るなかで一人しかいない。まじまじと全身を眺めて妙に冷静なわたしは確信した。これは、大輝だ。

よくよく見てみれば部屋も大輝のものだ。証拠にわたしが家に来るときにはいつも無理矢理ベッドの下に押し込んであるマイちゃんの写真集がそこらじゅうに散らばっている。片付けなさいよ。適当にぱぱっと手にとって本棚と見られるところに片付けてやった。すると、写真集の下敷きになっていた大輝の携帯を発見した。なんだこの宝探し。いつもは決して開かない大輝の携帯からみょうじなまえの番号を探し出して通話ボタンを押した。わたしはなんとなく直感的に大輝がわたしと入れ替わっているような気がしたのだ。

99秒鳴らし続けた。が、大輝は出ない。そうだった大輝は寝起きが悪いんだった。けど、よくよく考えてみれば寝ている間は変なことをしないはずだ。つまり今がチャンス。なんせやつは本能の赴くままに行動するタイプだからわたしの身体が危ない。


「さて、ちゃちゃっと着替えて行きますか」




(大輝起きないでよね…)
(……すぴー…)

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