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「あ、あああ!あったよ大輝いいいぃいい!」 「うるせぇ!わかったから揺すんな何か出る!!」
大輝の再三にわたる大活躍によって死亡フラグ(赤司くんからもらった紙)の回収に成功した。流石に匂いで探すことはできなかったけど、そこは野生の勘。ここ掘れワンワン的なノリでこのへんと言った辺りに本当にあった。今までわんこは黄瀬くんの担当だと思っていたけど、大輝だって十分犬で通用するんじゃないのこれ。ただしドーベルマンに限る(黄瀬くんは言わずもがなゴールデンレトリバー)。
「で、なんて書いてあんのか早く読めよ」 「もー、人使い荒いんだからっ」 「どっちがだ?!!!」
大輝に急かされて紙を開くと、そこには日本人がお手本にすべき美しい字でびっしり書かれた練習メニューの数々が。しかも回数とセット数がえぐい。これをわたしに毎日しろというのか。そして極めつけは最後に書かれた「見れば分かる」の文字。ちゃんとしたかどうかは見れば分かる、そういうことなんだろ?!赤司くんもしかしてわたしに練習させようとしてたこと忘れてるかも…なんて思っていた自分、よおく聞け。赤司くんは気分を最高潮から富士急バイランドのトトンバ並のスピードで急降下させる天才だ。
「大輝、わたし死ぬかも…」 「あー大丈夫だ、たぶん」 「そのたぶんってどのレベルのたぶん?!maybe?!probably?!perhaps?!」 「なまえ何語喋ってんだ…?」 「あああああもうアホ!アホ峰!」 「ああ?!誰がアホ峰だゴルァ!!」
(アホ峰アホ峰アホ峰) (アホなまえバカなまえカスなまえ) (早口言葉みたいに言うなアホ峰!)
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