4
大輝の野生の勘に深くふかーく感動していますはい。巨大迷路のような広さの赤司家別荘で一度も迷わずにゲストルームに到着することができたのは、他でもない大輝のおかげでございます。「たぶん」の可能性について夜通し考えてみたい。
「うおおおお!なんだこれやべえぞ!」 「ぎゃほおお!ふっかふかのベッドおぉおお!」 「おいこれ三回寝返りうてんぞ」 「え、わたし二回!大輝ずるい!」
とりあえず、すっごい楽しい。気分は修学旅行。ただ、大輝の大きな身体で二回しか寝返りが打てないのがすっごい腹立たしいけど。わたしも三回したい。無理矢理三回してみようと試みたものの、二回半でベッドから落ちた。痛い。
「そういやお前さっき赤司からもらった紙読んだか?」 「あ、!忘れてた!」
なんたる失態!慌てて飛び起きてズボンのポケットに手を突っ込んだ。が、
「……ない」 「はあ?もっとちゃんと探せよ」 「絶対ここに入れたもん!」 「"もん"とか言うなキモい!!」 「今はそんなこといってる場合じゃないでしょ?!」
わたしたちの命が掛かってるんだから!と言えば、わたしの剣幕にやられたのか大輝も渋々頷いた。よしよし、いい子だ。
死亡フラグの回収にいざ行かん。
(大輝、赤司くんの匂いをたどって!) (俺は犬じゃねえ!!!)
|