作戦を終えた帰路。いつものように素材回収の道すがら、わたしは自分の足に違和感を覚えた。そして同時に思い浮かんだことがひとつ。大型と小型の入り混じった乱戦で手痛いダメージを受けた箇所が、そういえば、そこだった。うーん、ちょっと油断しすぎただろうか。歩を一時止めて、先を歩く少年の背中に声をかける。
「あのう、ニール。この先の回収ちょっと任せてもいいかな」
「構わないが、どうかしたのか」
「なんかちょっと足が痛くて。耐えられないことはないけど、無茶したらなんだかクレアに目敏く見つかって怒られそうで……」
泣きそうな顔で怒る仲間の姿は想像に容易い。そう説明するとニールはわかった、と短く答える。
「よろしくお願いします」
「ああ。あまり離れるつもりはないが、何か異変があれば呼んでくれ」
はあい。と返事をするとそれを聞き届けたニールは、つよく地を蹴り上げて跳んでいった。
――あれ結構スタミナ使うし、そんなに急がず、さっきみたいに歩いててもいいんだけど……まあ、大したことはないとはいえ怪我人を置いておくのも不安か。
「ほんと、真面目で心配性だなあ……」
そんな呟きは、瓦礫の向こうへと消えていったその人には届かない。
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