頭をしっかりと固定されて、深く深く口付けを交わす。
口内をじわりと支配する熱と、それからどろりと溶けるチョコレートの甘さ。何もかもを溶かしていくかのような感覚に足元も思考もふらふらしてしまう。キトリーはその両腕をギルバートの背に回してしがみつくことで、ようやく立てているような、そんな状態だった。
「ん……っんむ……」
一人で食べる分には少し小さいチョコレートでも、食べ方次第ではこんなにも大きく感じるものなのか。と考えてた余裕も、今じゃすっかりなくなってしまった。
食べられているのは一体何なのか。溶け出した甘みを味わうほどに、どこか体の奥が熱くなって、どうしてだか、もっともっと触れて欲しいと思ってしまう。でもそれを素直に告げるのはなんだか、悔しいし恥ずかしい。
気を紛らわすように舌を動かして、求めてくるそれに応える。ああ、もう。なんだか涙まで滲んできちゃって。
「…………ぅ」
少しだけ、唇が離される。至近距離で見つめるその瞳に映った自分の表情が、なんかいつもより、その、ちょっとだけ、なんか。思わず視線を下にずらしたら、上から気遣うような声。
「キトリー……?」
「……。ギル、わたし……」
ギルバートの胸に顔を埋めて、呟く。持て余した疼きを誤魔化すようにぎゅーと力を込めるけれど、力を入れるほど気が紛れるどころか触れて欲しくて堪らなくなる。一体、どうしてしまったのだろう。
「……ギル、あのね。わたし、チョコもう一つほしい、です」
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