パジャマに袖を通しながら、マコはふと思案した。寝るときに何も着ないと言っていたあの人のこと。暑い夜があるのなら、寒い夜だってあるのに。あの時は答えてくれなかったけど、やっぱりあのままだったらいつか風邪を引いちゃうんじゃないかな。でももしかしたら、そんなこと関係ないくらいふわっふわであったかいお布団のベッドなのかな。それはちょっと憧れちゃうなあ。もしそうだったら先輩、見せてくれるかな。触らせてくれるかな。寝かせてくれるかな。やっぱり家族で眠る夜が好きだけど、憧れて夢を見るくらいなら、わたしだって。夢を見るくらいなら。ふわっふわであったかくて広い、ベッドで、夢を。
「どうした、マコ。まだ寝ないのか?」
「ううん、寝るよー!」
今度会ったら聞いてみよう、お部屋見せてくださいって。布団に潜り込んで瞼を閉じる。
先輩は、今日もパジャマを着ていないのかしら。
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