無事敵群を倒したお芋姫は、十三姫と共に愛の国へ逃げた迅に想いを馳せていた。
お芋姫「王子様…あなたが私を通してずっとみつめていたのはあの人だったのね」
秋の月は、お芋姫を優しく照らしていた。
お芋姫「お幸せに……ぐすん」
するとどこからともなく聞こえてくる龍笛の音
お芋姫「この笛の音は――」
龍蓮「こんばんは、秋の国は真に風流にあふれるな。月がきれいだ――わが心の片割れに比べれば、その美しさも霞むものだが」
お芋姫「朧月夜ですもの、霞んでいて当たり前ですわ」
龍蓮「…ふふっ」
お芋姫「……な、なんですの」
龍蓮「わが心の片割れは、そうして笑っていた方がいい。泣いた姿はその幻想さに心揺らされたが、その涙も私以外を思って零すものだというのはいただけない。――ああ、だが私ならこんな風に泣かせたくはないな」
お芋姫「……スプリングフォースの影響を受けてますでしょう」
龍蓮「そうかもしれん、先程嫌なくらい花を降らされた。だが清めの笛を吹いて後なお、こう気を狂わせられるのは、わが心の片割れ相手以外にはない」
お芋姫「それって――」
新しい恋に落ちる音がした、いや――新しい恋が落ちてきた音がした
(でもお芋姫は別に龍蓮落ちとかではなく…)
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bkm