「………華蓮、父上に何か言われたのか?」
「……お話をしてきましたわ。とても、とても悲しかった」
「華蓮は父上のこと………その………」
しどろもどろ口にするかしまいか考えている劉輝に微笑み、彼が聞きたいであろう答えをかえす
「好き、でした。友人としてですけどね。彼は、この世で初めての友人で、私の一番の友人で、この世で二番目に大事な人でした」
「……友人、だったのか」
「ええ」
大事な大事な友人。そう言うのが1番しっくりくる
「………ごめんなさいなのだ」
「なっ、何故劉輝様が謝るんですか?!」
「余では………余では、父上のようにはなれない。清苑兄上には出来たかもしれないが、余では、余では父上の代わりになんてなれないのだ」
親が馬鹿なら子も馬鹿、か。
「あのですね、王…いえ、もうあれは呼び捨てで構いませんわ。殲華は『余のような王になれ』だとか『余の代わりをしろ』なんて一言もいっていませんでしょう?」
「でも華蓮は……」
「劉輝様は劉輝様でいてください。殲華がいなくなって劉輝様まで劉輝様でなくなってしまったら、私はどうすればいいんですか!
劉輝様は、劉輝様らしい王になってくださいまし。………あ」
しかしここで張り切って、上の四兄弟に目を付けられたら困る
「きっと劉輝様の兄上様方はそれを好ましくおもいませんから、王位には興味のないふりをしておいてください」
「言われなくとも興味なんてない、余は清苑あにう」
「兄上離れして下さい、だいたい清苑公子だって自らの王位復帰より劉輝様の治世を望まれますわ。
ああ私は、これから起こることに備えなければなりません。
しばらく会えなくなること、お許し下さい」
「そんなっ」
「では」
ひどい物言いなのは自分でもわかっている。だが、だからといって俺はこのまま女装して劉輝付でのうのうと王位争いすごす気はない。
そのために今まで何かと小さいながら準備してきていたのだ、このままただ人災起こさせ被害広がるの見てなんていられない
珠翠は後宮にさえいれば安全だ。問題は邵可達や、街の人々
自邸の地下の米なんて、限りあるしとてもじゃないが足りない。国が動かなければ、食い止められも、おさめもできない。
ここはなんとしても動いてもらうしかないのだ。かといってまだ起こってはおらず、また防ごうとすれば目を付けられ後々厄介、か
しばらくは備え、構えて待つしかない。動くべきそのときを
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空中三回転半宙返り土下座
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bkm