「あー、だめ。ぜんっぜん、だめだね。道具に慣れただけであとは駄目」
「……さっきから駄目しか言ってないじゃないですか」
「いいっていうまでやること。世の中聞いたら答えが出てくるなんて甘いつくりにはなってないよーん」
苛々しそうになるのを必死に抑え、ヒント一つでも漏らさぬよう集中する。
「今ある状態から別人になるんだから」
別人になるんだから……今の特徴、楊修である要素を無くす?
楊修の特徴といっても、貘馬木が覆面官吏に向いてると言っただけはあり、一見みつけられない
しかし。
目元……あと、口、か?
鋭く見据える官吏の目
切れ長なのはアイラインっぽい化粧品使って丸く目が大きめにみえるよう。眉も少し下げ気味に書き足す。口は…頬をまるくみせれば大丈夫か? ほおの頭に白っぽい粉を違和感ない位に塗り光がはいっているようにみせる
貘馬木がそれをみて嬉しそうな顔をするのがみえた。どうやら間違ってないらしい。
じゃあ次は特徴づける?元の特徴と無縁で……
考えるに思いつかないので鼻筋をまたまた白いラインひき鼻を高くみせ口元にほくろをかいてみた。
「……あー、ほくろいらなかったか」
なんかやたら綺麗な唇の形しているせいで口元のほくろが妖艶さを演出している
鬘の中から茶色の長髪を選んでかぶせる。
「うん、まー棚夏はオマケで合格。楊修、お前は頑張り過ぎで欲張り過ぎ。棚夏は特徴らしい特徴なんてないから特徴つけたくなるのは分かるけど、目元に刀傷みたいな罰印模様はどっかの州牧と被るし目立つ」
楊修はというとそのまま続けようとしていたらしくしょんぼりして手に持っていたオレンジ色に近い茶色い一つ括りの鬘を戻した。それ被ったら某逆刃刀の抜刀斎になりそうだ。おろろ
そのあとやること控えめにしたらしく、楊修も合格もらい、本日の覆面官吏講座は終了したのだった
△Menu ▼
bkm