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「あー……お前たち、さっきから何してるんだ?」
「あ、フレイさん」
形のいい眉をひそめ、怪訝そうにしているフレイも、百五十年ほど前の英雄である。
「俺の紹介なんかどうでもいいから。どうしたんだ?」
「わたしのせいでサガさんと王子さまを無人島に飛ばしちゃったんです……」
フレイさんは、申し訳なさそうにしているビッキーに、さらに怪訝な色を深めた。
「それがなんでヘズの百面相に繋がるんだ」
「要人二人が行方不明なんて国際問題に顔色変えないなんて無理です!」
「なんだそんなことか。ビッキーに送ってもらって、連れ帰せばいいじゃないか」
さも簡単だとでも言わんばかりのフレイさんの言葉に、目からウロコが落ちた。
「ぼくってバカですね……」
「動揺は人を狂わせる。テンパりすぎて腕が痛いと言い出した友人もいたしな」
寡黙で無表情な彼にしては、珍しい苦笑い。なんかセリフがおじいちゃんみたいだけど。
「じゃあ、さっさと二人を連れもd「ごめんなさい!!」」
がばりと頭を下げたビッキー。
「実は……」
そして、ぼくたちは衝撃の事実を知る。(もっとも、衝撃を受けたのはぼくだけだったけど。)