少年A01「嘘つくなよ気持ち悪い!!」

少年B02「気味悪いんだよお前!!こっち来んな!!」


克貴タイトルコール03「幸福論7colors」


克貴ナレーション04「小さい頃から俺は嘘つきだと言われた。
だから信じてもらえなくてもあえて言う。
俺は幽霊が見える。
人は自分の許容や想定を越えるとそれを排除したがる。良い例だ。」

克貴05「はーぁ…授業にも出てられないなぁ……」

亜希06「サボりはいけないわね。」

克貴07「うわぁぁぁあ!!」

亜希08「大声出さないで、びっくりするじゃない。」

克貴09「びっくりしたのは俺の…!…ほう、だ……。
……?…あんた…もしかして……
あ、やっぱいいや…何でもない……。」

亜希10「私は…人間じゃないわよ。」

克貴11「……じゃあ…幽霊?」

亜希12「近からず遠からず…かしら。」

克貴13「じゃあ…もう俺と関わらないで。
ただでさえ気味悪がられてるんだから…」

亜希14「随分と人間贔屓なのね。」

克貴15「当たり前だろ!俺は生きてるんだから!!だから嫌なんだよ!いつも異常者扱いなんだ俺は…
嘘なんてついてないのに…もう嫌なんだ!!」

亜希16「私は信じるわよ。」

克貴17「人間に信じてもらわなきゃ意味ないんだよ!!」

亜希18「何言ってるの?私は人間よ?」

克貴19「え、だってさっき…」

亜希20「冗談よ。」



克貴21「か、からかってたのかよ!!」

亜希22「まさか信じるとは思わなくて。」

克貴23「お前俺のこと知ってるんじゃないのかよ!!」

亜希24「杠亜希」

克貴25「は?」

亜希26「私の名前よ。いつまでも呼称がお前じゃ気分がよくないわ。」

克貴27「…わ、わかった……。」

亜希28「どうしたの?顔赤いわよ?」

克貴29「うるさいな!何でもないよ!!
ところで…その……本当に信じてくれるの?」

亜希30「えぇ、信じるわ。」

克貴31「みんな…信じてくれなかった…みんな俺を異常者扱いだった…
俺もそれに慣れてた……。どうせ誰も信じてくれないならもう異常者でいいやって…。」

亜希32「でもあなたは嘘なんて言ってないんでしょう?
だったら諦めることなんて何もないわ。
あなたはあなただけの世界を大切にすれば良いの。
もしそれでも悔しくなったら言い返してやりなさい。
『人を異常者扱いするお前は微塵も異常がない世界にいるのか』って。」

克貴33「……なぁ、どうしてここまで信じてくれるんだ?」

亜希34「友達を信じるのに理由が必要?」

克貴35「と、友達…そうか……そっか…。」

亜希36「やっと笑ったわね。」

克貴37「え?」

亜希38「何を言っても笑わなかったから。……でももう大丈夫ね。」

克貴39「あ…えっと、…あ、あ、亜希の…おかげだよ…。」

亜希40「そんなことないわ。
…忘れないでね。異常なんて1つもない方がどうかしてるわ。自分の世界に対して真剣になって何が悪いの?
今は苦しいかもしれないけれど、きっとあなたにも、分かり合える人が現れるわ。」


克貴41「亜希……。
……あれ、あきって誰だっけ……。」

克貴ナレーション42「自分の口からふと名前らしき言葉が出た。
その名前に聞き覚えなんてなくて、幽霊でも人間でも、そんな名前は知らないはずだった。
だけどその名前を呟くとあたたかい気持ちになった。
だからこれはきっと……」

克貴43「ありがとう…俺の友達……」



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