『ん…』


唇を離した名前は恥ずかしそうに俯く。


「なぁ、名前」

『ん?』

「戦が終わったら祝言あげるか!」

『……うん!』


そのまま二人はどちらともなく抱きしめあった。




「おーい!蛮骨の大兄貴ー、名前!」

「?」


突然の声に振り返るとはるか後ろで蛇骨が手を振っている。


「え?蛇骨!?」

「花火しよーぜ!」

「あいつ、また邪魔しやがって…」

『プッ…いいじゃない!こうやって二人で星見れたんだから』

「まぁ…そうだけどよ」

『行こう、蛮骨』


名前は微笑んで蛮骨に手を差し出す。


「…おう!」





―――
――




パチパチ

「おぉ、スゲー!」


綺麗な火花をあげる花火に目をきらめかし、蛇骨はそれを振り回しながら走る。


「おい、蛇骨!危ねぇから振り回すんじゃねぇ!」

「チェッ…冷てぇなぁ、煉骨の兄貴は…だからハゲるんだぜ?」

「関係ねぇだろ!てかハゲてるんじゃなくて剃ってるんだ!」


相変わらずいつものように言い争う二人。


「ったくあいつら本当仲いいな…」

「ギシッ♪」


一方霧骨は…


「ゲヘヘ…綺麗だなぁ〜」


花火の光にうっすらと照らされ不気味な笑みを浮かべる。…はっきり言ってキモい。
そして凶骨はというと…


「……」


力加減が分からず花火を握り潰してしまっていた。








そして二人は…
縁側に座り楽しそうに花火をする皆を眺める。


『ねぇ…今日はありがと』

「あ?何が?」

『てるてる坊主作ってくれたことも、流れ星に“一緒になりたい”って願ってくれたことも…とても嬉しかった』

「あぁ、つか流れ星ってすげぇな…願ったこと本当に叶えてくれるんだな」

『でしょ?』

「お前の願いもすぐ叶うな!」

『あたしの願い?あぁ…それはね、もう叶ったよ?』

「え?」





そう、あの時あたしが流れ星に願ったのは…




『皆と…そして蛮骨とずーっと一緒にいられますように』



end




☆あとがき☆

どうも、蓮でございます!今回は零華様からの5000HITのキリリクということで蛮骨相手の甘夢を書かせていただきました。
そういえば今の時点でまだ連載の方でも甘甘な場面は出てきてないのでこれが初めての甘夢なんです♪

ちゃんと甘く出来てましたか?(ドキドキ)
こんな駄文ですが少しでも楽しんでいただけたら幸いです!

零華様、今回はキリリクしていただいて本当にありがとうございました。また今後ともおいでいただいたらうれしいです!




おまけ☆


「また邪魔しやがって…今度という今度は許さねぇ!」


蛮骨はまたしても剣幕を浮かべ火をつけたねずみ花火を蛇骨に投げつける。


「ギャー!なんでーっ?」



―――

じゃこちゃん悪気はないんです…。
天然なんです(笑)

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