「・・・うれ・・・しい・・・」
「・・・名前?」
名前はそう言ったかと思うと―俺の背に、腕を回してきた。
―こ、これ・・・だ、抱き合ってるみたいじゃねーか!?
「・・・さっき・・・別れようって・・・言われて・・・悲しかった・・・」
「・・・ごめん」
「ううん・・・いいの・・・蛇骨・・・こうやって、謝ってくれたし・・・抱きしめてくれてるし・・・」
名前はそう言うと、さらに強く抱きついて来て―しかも、顔まで俺の胸に埋めてきた。
―か、可愛い・・・犬夜叉よりも、断然可愛いっ!
「・・・ごめんな? 俺、素直になれねーから・・・」
「うん・・・知ってる・・・知ってて、好きになって・・・恋人になったんだもん」
「・・・そっか・・・じゃあさ・・・」
俺はそう言って、名前を抱きしめたまま―顔を上に向かせる。
―何か、こういうの・・・恋人っぽい、よな。
「・・・これからも・・・ずっと、俺の女で居て・・・くれる?」
「! うん・・・もち・・・ろん・・・ずっと、蛇骨の女でいる・・・///」
「じゃあ、さ・・・目、瞑れよ」
「え・・・?」
「いいから、早くしろって」
「う、うん・・・」
名前は俺の方向いたまま、不安そうだけど目を瞑った。
―そして、俺は名前に顔を近づけ・・・。
「・・・これで、仲直りと―俺のもん、って約束・・・////」
「・・・んっ・・・////」
―名前に、優しく・・・口付けした。
してから、名前を見たら・・・顔、真っ赤にして恥ずかしそうにしてた。
「・・・何、赤くなってんだよ?」
「だって・・・その・・・」
「お前は、俺の女なんだから・・・良いだろ?」
「うん・・・////」
「んじゃ・・・行くぞ」
「え?」
名前の手を引いて、帰るぞというと―名前が、あ、と声を出す。
「何だよ?」
「・・・着物・・・着て、くれたの?」
「え・・・あ、ああ・・・なかなか、うまく出来てる・・・ぜ///」
「嬉しい・・・男物だから・・・着て、くれないかと思った・・・から///」
俺だって、男物は着ない―でも、名前がくれたものだから・・・よ。
「ほら、帰ろうぜ」
「うん・・・」
俺がそういうと、名前は手を繋いだまま―俺の腕に、抱きついて来た。
―ちょっと、恥ずかしいけど・・・俺たちは、そのまま・・・屋敷への道は歩いた。
―夕日を受けて、重なり合う二つの影が道に伸びた・・・。
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