「・・・俺、名前を探してくる!」
―って言って、出て行こうとした・・・んだけどよ・・・。
「「「待て、蛇骨」」」
「ぐぇ!?」
―蛮骨の兄貴達が・・・一斉に、俺の襟巻きを引っつかんでそう言って引き止めた。
・・・ぐ・・・ぐび・・・じまる・・・。
「げほっげほっ・・・な、何だよ・・・兄貴たち・・・」
俺がそう言って振りかえると―。
「「「・・・これ、着て行け」」」
「・・・え”」
そう言って、名前が作った“男物”の着物を差し出してきた。
―俺、男物・・・着ないんだけど・・・?
「「「・・・いいから、着ていけ」」」
「・・・ハイ・・・」
―大兄貴たちの気迫に負け、渋々着替えた。
そして、蛇骨刀を持って屋敷を飛び出す。
―名前、ぜってー探し出すからな!!
「・・・ぐすっ・・・ぐすっ・・・」
一方、名前は屋敷から少し離れた丘に居た。
「・・・蛇骨の・・・馬鹿・・・」
―そう、つぶやくと・・・。
「・・・馬鹿は・・・ひでーんじゃねーの・・・?」
「・・・え・・・?」
突然、後ろから誰かに抱きしめられた。
―もちろん、名前を抱きしめたのは・・・。
「じゃ・・・こつ・・・?」
「・・・他に、誰がいるんだよ・・・」
もちろん、蛇骨だった。
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