「誕生日おめでとう!」
大地さんの誕生日…知らなかった…
「な、なんで教えてくれなかったんですか!?教えてくれてたら私っ…」
「いーんだよ、お前は絶対気遣うだろうと思ったから、黙ってた」
「でも…」
…悔しいです
好きな人の誕生日を知らなかったことは…
うつむいた私の頭の上に彼の大きな手がポンと乗せられた。
「…ひとつだけ、聞かせてもらえるか?」
「はい、なんでも聞いてください!」
プレゼント用意できなかったんだから大地さんの望むことはなんでも叶えます!そんな心持ちで顔を上げた。
「俺の事、どう思ってる?」
まっすぐ自分を見下ろしてくる瞳は全部見透かされてるみたいで、誤魔化すなんて出来なくて
「だ、大好きです」
素直な気持ちを口にした。
「そうか、俺もお前が好きだよ」
まさかのこの返事、言葉が出てこなかった。
放心してる私に彼は嬉しそうに微笑んで
「最高の誕生日プレゼントもらっちゃったな」
なんて言う。
それはこっちのセリフです。
誕生日でもないのに、ずっと欲しかった言葉をもらえたんだから…
うれしくて、でもはずかしくて、しばらく顔は上げられなさそうだ