ジャージを貰ってみた(3)「…戻って来たのか?」 目の前には見慣れたコート。暗闇に支配されていた空間は嘘だったかのように消え去っていた。 「…せやな。」 「あー!樺地達も居るC!」 「長太郎!」 「宍戸さん!無事だったんですね!」 「空のおかげでな。お前らは怪我してないか?」 「全員無傷ですよ。」 「ターミネーターに襲われなかったのか?」 「宍戸さん達も遭ったんですか!?」 「ああ。空が対処法知ってたから撃退出来たけどな。」 「俺達も攻撃されたんですけど、大きな虎が守ってくれたんです。」 「虎?」 「はい、白い虎でした。」 どうやら鳳達はその虎のおかげで助かったらしい。投げかけたい疑問は多々あるが、全員無事だったからよしとするか。 『おお、ちゃんと無事帰還っすねー。』 「空か。お前のおかげで…って何だその傷は!」 「おまっ、出血酷えぞ!」 『どうりでフラフラするのかー。』 「お、おい!」 「うわーん空ちゃーん!おっしー救急処置!」 「ほな取り敢えず止血や!滝、手伝ってくれ!」 「分かった!」 「俺、部室から救急箱取ってきます!」 「頼んだで、日吉。」 『いやあ、お世話かけますー。』 「空ちゃん大丈夫…?」 『あ、ちょたさん。ご無事なようでー。』 「うん。大きな虎が守ってくれたんだ。」 『虎丸が間に合ったみたいっすね。』 「虎丸?」 『にゃはは、こっちの話っす。』 「?」 「空、また無茶しやがって。」 『もっとスマートにいく筈だったんすけどねー。』 「ったく…お前にいつもヒヤヒヤさせられる俺様の気も知れ。」 『ごめんね景ちゃんー…うわっぷ。』 「詳しいことは言えねえようだから聞かねえ。だがお前が俺様達を助けたという事実は変わらない。…今日からお前も氷帝の一員だ。」 『…へへ、照れるっす。』 --------------------------- 「わあ!空ちゃんも俺らとお揃いだC!」 「凄く可愛いよ!」 「よく…似合ってます…」 『どもどもー。』 「裾余ってるぜ。捲ってやるよ。」 『お母さんって呼んでいいっすか亮先輩。』 「何でだよ!」 「…下剋上だ。」 「目がマジやで、日吉。」 「クソクソ!お母さんポジションは譲らないからな!」 「え、そこなん?食い付くとこそこなんか岳人。」 「やるねー、虹未来ちゃん。」 『わお、萩先輩のやるねー頂きましたー。』 「クス、いくらでもあげるよ?」 『うわーい。』 「またいつでも来い、空。待っててやる。」 『いえっさー。』 |