再会してみた




『やっと着いたっす。』

見上げる校舎はまさに豪華絢爛。お金掛かってるー。

『えーと今の時間は… あり?また2時間も早く着いちまった。』

5分前行動ならぬ2時間前行動。体内時計が狂ってきたんすかね。

『取り敢えずお邪魔しますー。』

さてさて、敷地内に足を踏み入れて寝る場所探し。フラフラとしてれば偶然見つけた中庭。ラッキーっす。

『にゃんこは居なさそうっすね。しょうがない、1人で寝ますかー。』

んしょ、と大きな木の根本に寝転がって目蓋を下ろした。

「あっれー?先約?うわ、かわEー!」

柔らかそうな金糸の少年が添い寝を始めたのは、その1時間後のこと。…デジャヴ?

 * * *

「今日はミーティングなんか?」

「ああ。土曜の練習試合について幾つか連絡があるからな。」

「おい、跡部。慈郎が居ねえぞ。」

「クソクソ!また寝てんのかよ!」

「さっき樺地に連れて来るように言った。そろそろ来るだろ。」

その時、タイミング良く部室の扉が開いた。

「ご苦労だったな、樺地。」

「ウス。」

「芥川先輩、ぐっすりですね。」

「ホントよく寝るよなー…ん?」

「宍戸さん?」

「慈郎のヤツ、何か抱えてねえか?」

「え?」

「ちょ、女の子やないか!」

「というか誰ですか。」

「あーん?一体何事『んにゃ…』

タイミング良くと言うべきなのだろうか、跡部さんの言葉を遮るようにその女子は目を覚ました。だが、跡部さんの様子がおかしい。何故か固まっている。

「お前っ…空か?」

『あり?景ちゃんじゃないっすか。ご無沙汰ですー。』

「っ空!」

『うひゃー。』

…何だこの光景。跡部さんはいかにも感動の再会ですオーラを出しながら女子をぐるぐる振り回してるし、女子は再会を喜んでいるのか分からない無表情で振り回されている。…取り敢えず、

「…下剋上だ。」



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「あ、跡部の知り合いなんか?その子。」

「そうだ。俺様が小さい頃、パーティーでよく顔を合わせていてな。子供で参加してたのは俺様とコイツくらいだったからすぐに打ち解けた、ってわけだ。」

「(あんな跡部、初めて見たぜ…)」

「(俺もです、宍戸さん。)」










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