バラしてみた放課後の体育館、集会のため部活は休みになり、全校生徒が集められていた。 「今日皆に集まって貰ったのは、発表したいことがあったからなんじゃ。」 「(発表?)」 「(何かあったのでしょうか?)」 何も聞かされていない生徒達は、校長の次の言葉を待つ。 「既に耳にした生徒もいるかもしれんが、今年、裏生徒会長が52年振りに就任しての。」 「「「!」」」 「本来ならば非公開なのじゃが、裏生徒会長とは影で皆を支える存在。影でも皆と同じ光の元、表に出て来て貰いたくて、儂の独断で公表を決めたんじゃ。」 「まさか……」 「さあ、 空君。」 壇上に1人の少女が上がる。静まり返っていた体育館が波打つようにざわつき始めた。 『皆さん初めまして。 2代目裏生徒会長、虹未来空っす。以後お見知り置きをー。』 気付けば全員、表情無く口角だけ上げる少女に釘付けになっていた。 * * * 「…ら、幸村!」 「!」 真田の声で我に返った。慌てて壇上を見るが、もうあの子の姿はなかった。 「大丈夫かよぃ、幸村君。」 「あ、あの子は?」 「裏長か?挨拶後すぐに消えてしまった。」 「周りを見てみんしゃい。みーんな探し回っとる。」 仁王の言葉の通り、生徒達は散り散りに動き回っていた。 「部長!俺達も!!」 「急がないと他の方に先を越されてしまいます。」 「…そうだね。絶対に俺達が最初に見つけ出すんだ!」 「「「おうっ!!」」」 --------------------------- 「ほっほっほ。空君を頼んだぞ。」 走り去った8つの背中を見送った、柔らかい笑顔で。 |