冗談言ってみた




「空ー…って今日も居ないか。」

裏生徒会室に足を運ぶが、部屋の主は今日も不在。

《ワン》

「キミ達はお留守番かい?あの子は一体どこに行ったんだろ。」

革張りのソファに目を移すと、

「何あれホラー?」

真っ赤なブレザーが置いてあった。

 * * *

ガヤガヤ、何だか騒がしいっす。

『…不良同士の喧嘩っすか。』

ちょっと大人しくなったと思ったらこうだ。血気盛んっすね。よいしょ、踏み出そうとしたら後ろに引き戻されちまいましたー。

「怪我人は引っ込んでろ。」

 * * *

「チッ、雑魚ばっかかよ。」

『サンキュー、あっくん。』

「その呼び方止めろ。」

『あっくーんあっくーん。』

「てめえ!お前が居ねえ間誰が不良共の相手してやってたと思ってんだ!」

『まさかあっくんが?』

「チッ。」

『ワオ。有り難迷惑ー。』

「あ゙ぁ!?」

『冗談っす、冗談。助かったっすよ、あっくん。』

「チッ…本当にそう思ってんならその怪我早く治しやがれ。」

『はいよー。』



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『じゃあねーあっくーん。』

あっくんは振り返らずに軽く右手を挙げただけ。相変わらずクールっすね。

『お礼に高級モンブランでも送りますかー。』










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