「せぇぇい！恵方巻きも良いけど豆を撒く楽しみには変えられませんね！ソイヤ！」
「う、わ！ちょ、やめてよ！」
「福は内ぃぃぃぃ！福は内ぃぃぃぃ!!」
「福は内って言いながら豆ぶつけ、ない、で！」
「福は内ぃぃ！ふぅ……。あー、だってほら、鬼は外って言いながら豆ぶつけられたら嫌でしょう？」
「まず豆をぶつけられるのが嫌だよ」
「え、嫌でした？」
「意外みたいな顔しないでよ！」
「そっかー、嫌ですかー…どうしようかなぁ、まだ豆こんなにあるのに」
「外行ってマメパトにでもあげてくれば」
「撒き足りないんです！クダリさん鬼の役やってくださいよー」
「ヤだよ！」
「撒きたいー。撒きたいー！どこかに鬼っぽい人いませんかねぇ…炒り豆うめぇ」
「鬼っぽいって…そんな人いないでしょ。僕にも豆ちょうだい」
「はいどうぞー。年の数だけお食べくださいな」
「今年はいくつだっけな…」
「…………………何ですかこの惨状は……！！」
「あれ、ノボリさ……クダリさん見てください、般若がいます」
「あれは般若というか鬼でしょ……あ、鬼だ！ノボリ鬼！」
「へっ？…あぁ！鬼だ！」
「どうして豆が散乱しているのございますか!?納得のいく説明をいただけるでしょうね！！」
「そーれ鬼は外〜」
「ぅぶ！」
「僕にも豆…！鬼は外ー！」
「な…！な、」
「ふはは、知らないんですかノボリさん、本日は節分です！くらえ！最終奥義豆乱射！うらうらー！」
「そういうことだからごめんねノボリ！」
「やめ、いたっ！目がっ！おやめ下さいまし！だからといって仕事場でやることではないでございましょう！」
「あはははは、きこえましぇーん！それそれそ…あれ？」
「ん？」
「あ……豆、無くなりました」
「……ほう」
「君逃げた方が良いんじゃない？」
「そうします！さら、ばっ!?」
「逃がしませんよ…！散らかした豆を片付けていただきます！クダリ！あなたもです！」
「げー」
「本当にもう！あなた方を一緒にしておくとろくなことをなさらないのですから！いつもいつもいつも…」
「………今だ！ていっ！」
「あ！逃げたっ！」
「はーははは！えーと、そう！私にはまだリア充どもに豆をぶつけるという大仕事が残っているんです！予備の豆もまだロッカーに１キロ残してありますしね！こんなところで捕まるわけにはいきません！アデュー！」
「お待ちなさいまし！させませんよ！止まりなさい！」
「出来るもんなら捕まえてみてくださいよーだ！」
「クダリ！あなたはそこの掃除をしていなさい！」
「えー！僕だけ!?」
「あの馬鹿には掃除に加えてわたくし直々に全力でこぴんの罰を与えます…！」
「うわぁそれは痛いよノボリ！」
「待ちなさい…ホームを走るな！」
「ほほほほほ！鬼さんこちら！捕まえてごらーんなさいまし、ですよノボリさん！」
「なんかバカップルみたい」
「あなた、どうなるかわかってるでしょうね！」
「ていうかバカみたい」