* 微パラレル・捏造注意
「一月…メインイベントは初詣と成人式とセンター試験ですかねー。私は成人式の日も仕事だったから出ませんでしたけど」
「そーだねー」
「センターが近くなってくるとミニスカートなんかが若干少なくなりますよね」
「そりゃあそうでございましょう」
「私ここに就職決まってたけどセンターは受けたんですよ!先生に受けとけって言われて」
「え、そうなの?」
「はい。あの独特の緊張感が怖かったです…ぴりっとしてて背筋が伸びましたよー。試験科目が変わるたびに受験票のアレ、証明写真と顔を確認されるのとかもまたね…」
「あー…あれか、僕らは特に念入りにチェックされたなぁ。ねぇノボリ?」
「当たり前ですが受験番号も前後でしたしね。相当見られました。入れ替わったりなんていたしませんのに」
「真顔だと全く同じ顔ですもんね!」
「それちょっと傷つくなぁ」
「センター受けたってことはお二人は大卒だったんですか」
「まぁわたくしども一応管理職でございますから」
「そうそう、これでもけっこうエリートだからね!」
「わー…!もしかしてヒウン大学ですか?」
「うん」
「留学なんかもいたしました」
「他の地方のジム巡ったりもしたー」
「四天王に挑戦は致しませんでしたが」
「カントーのオーキド研究所も行ったことあるよ!」
「あれは勉強になりました」
「ゆ、優秀だったんですね…」
「まあねー」
「そんなお二人がなぜバトルサブウェイに勤めてらっしゃるんですか?ファイトマネーで生きていけそうなのに」
「電車とバトルどっちも好きだったから!」
「ですね」
「他の地方じゃ電車でバトルできる施設ってないんだよ!」
「どこもただの移動手段という認識でございました」
「でもここなら電車に乗りながらバトルできるでしょ?だからここで働くことに決めたの!」
「えぇー…なんかもったいない気もしますけど…そんないい大学出てココですかー」
「関係ないよ!僕たちがあそこに入学したのだって別に将来いい企業に就職したかったからってわけじゃないし」
「え?じゃあ何ですか?自分を試したかったとか?」
「それもございますが…一番は自分の将来の可能性を広げたかったというのが大きいでしょうね」
「どういうことですか?」
「もし将来なりたいものが急に見つかったとして、でもそれに必要なだけの学歴とか、そういうの無かったらせっかく夢ができたのに諦めたり遠回りしたりしなくちゃならなくなるじゃん。そういうのもったいないでしょ?」
「学歴がそれなりにあるとその分選択肢が広がりますからね」
「ははぁ…そんなことを考えてたんですかお二人は…。……ひとついいですか?今凄いことに気付いたんで」
「何?」
「私お二人とこんなにまともな会話したの初めてですよね」
「ですねぇ」
「あ、お茶のおかわりいかがですか?」
「お願いします」
「僕もー」