「もう竪穴式住居に住みたい…」
「へっ?何?竪穴式?なんで?」
「掃除めんどくさくって。毎日朝は早いし夜は遅いから掃除機なんてうるさいのかけらんないし、休日はだらだらしたいし」
「土曜に掃除して日曜にだらだらすればいいじゃん」
「えー…。土曜は『今週もがんばったー!』ってだらだらしたいです。で、日曜は『明日からまた仕事だー』ってだらだらしたい」
「ていうか君毎日だらだらしてるでしょ。これ以上だらだらいらない」
「してません…!めっちゃ気ぃ張ってますって!クダリさんの前ではちょーっと気が抜けてるかもしれないですけど!」
「嘘だね!だってノボリも君がだらけすぎてどうしようって言ってたもん!」
「う、ノ、ノボリさんとクダリさんの前だと気が抜けちゃうんですよ!ちゃんとお仕事してます!」
「あっそ」
「あー、あー、あ、そうだ、だらだらは置いといて、そう、もしも家が竪穴式だったら便利ですよねー!下が土だから掃除いらない!」
「その代わり地面からダイレクトに寒さが伝わってくるんじゃない?」
「じゃあ何か下に敷けばいいんじゃないですか?」
「何敷くの?」
「…ラグとか」
「そんな薄っぺたいので下から直に伝わる冷気を防げると思うの?」
「だったら床板を作ってからラグを…」
「いやだからね、問題は居住スペースと地面が接してることにあるんだよ」
「なら家の床と地面を接触させないように柱で家を支えるとか」
「あーいいねぇ。それなら多少しのげると思うよ!」
「!!えへへー、でしょう!?クダリさんに褒められるの久しぶりだー」
「でもそれだともはや竪穴式じゃないんだよねー」
「えっ…えぇと、なら床に土をまいて木とか植えて植物園みたいにすれば、」
「諦めてちゃんと掃除したらいいんじゃないかな」