「ノボリさーん!はいこれ持ってきましたよ、昨日言ったCDです!」
「はい?わたくしあなたさまと約束をいたしました記憶はございませんが。クダリではありませんか?」
「え、何言ってるんです?ノボリさんに決まってるじゃないですか。昨日一緒にレタスもってステーション内を全力二人三脚したでしょう?」
「初耳です!」
「マジか…!じゃああれはひょっとして夢だったんですか!?道理で変だと思ったんです、ノボリさん無表情でげらげら笑ってたしチョロネコ耳付けてたし…!」
「明らかにおかしいではないですか。何故気付かないのですか。因みにそれは何のCDなのですか」
「落語です。時そば、じゅげむ、目黒のさんまとかが収録されてます。夢のノボリさんがお好きだとおっしゃっていました」
「お借りします」
「クダリさんって好きになったら凄い一途そうですよね」
「そう?」
「脇目もふらず一直線って感じがします!ともすれば犯罪者になりそうなニオイが」
「そうかもね」
「そこは否定して欲しかったな…!」
「だって好きなものはどうしたって欲しいじゃない」
「まぁ…そうですね。ところで今私ノボリさんのワイシャツ狙ってるんですけど。使用済みのやつ」
「…協力しろって?」
「はい!欲しいものはどうしたって欲しいです!」
「君のそれは恋なの?病気なの?何なの?」
「尊敬に決まってるじゃないですか!」
「そんな歪んだ尊敬どうかと思うよ」