最近喉仏が気になって仕方がない。
「喉仏が?」
「そー」
「首筋フェチなのか?」
「わかんないけど」
わかんないけど。多分違うと思うけど。
だって今おしゃべりしてるシリウスの首には、視線がついつい行ってしまうとか、ない。
「首筋好きって結構いるみたいだし気にするこたねーって!な!」
「いや気にしてないけど」
そういう事言いたいんじゃなくて!まったくシリウスはわかってないな!
「という話をね、したんだよ君のお兄さんとね」
「だから何だっていうんですか…」
「いやいや聞きなさいよちょっとね、あのね、喉仏がすごくセクシーに見えるんだってば」
「僕が今何をしてるかわかります?」
「スラグホーンの課題レポート?」
「正解です。なのでそういうどうでもいい話はグリフィンドールの寮でしてきてもらえませんかね。兄さんの喉仏でも拝んでてください。ではそういうことで」
「ちょちょちょ待ってレギュラス冷たいな!違うって!そうじゃないんだって!」
「……」
「ちょっとレギュラス聞いてるの」
「聞いてません」
「聞いてるじゃない!」
「聞いてるの、だけ聞きました」
「…まぁいいけど…。そう、それでね、喉仏がセクシーに見えるって話なんだけど」
「それはもう聞きましたけど」
「まだ全部話し終わってない!それでね、あのね、最近喉仏にやたらきゅんとするのよ」
「はあ」
「それで、シリウスにもジェームズにもセブにもリーマスにもルッシー先輩にも喉仏はあるでしょう?ふつうに年齢的に!ピーターにはないかもしれないけど」
「はあ(ペティグリューさん…)」
「けどときめかないの」
「はあ?」
「レギュラスの喉仏はきゅんきゅんするのになー」
「…あの」
「そういうわけだからレギュラス、ちょっとのけぞってみなさい」
「嫌ですよ!」
「いいからいいから」
「痛っ、髪引っ張らないでくださ…」
「はぁんやっぱきゅんきゅんする!」
「…先輩そういうことよそで言わないほうがいいですよ」
「レギュラスにだけだよ!」
「え、あの、…ならいいですけど(ならいいって何がだ!)」
「さわってもいい?」
「…少しだけなら」
「……………なんとも言い難い…癒される…!」
「それはどうも」
「ちょっとかじってみてもいい?」
「まだ駄目です」
「まだって何」
「…いずれそのうち」
(おおおおおい、俺の喉仏ならいつだって触ってもいいんだぜ!)(やだ、レギュラスがいいんだもん)(なんで!)(シリウスのはべつにときめかないもん)(そんな…!)