「頭痛が痛い」


「頭が痛い、ですよ」


「頭痛がする、痛いなぁの略です。ニュアンスで汲み取ってください」


「わかるわけ無いでしょう!」


「うーあー頭に響くから大声出さないでくださいよー」


「…何です、もしやとは思いますが風邪でも引いたのですか?あなたさまが?」


「どういう意味ですか。バカってことですか…!違いますよ、昨日ぶつけたんです」


「ぶつけた?どこにですか?頭痛がするほどなら病院に行ってくださいまし」


「一度ジャンピング土下座ってのを実践してみたくて。チャレンジしたら失敗したんですよ!…いたたた自分の声が響く…!あの、それで結構すごいたんこぶになりました。触ってみます?押したりしたら怒りますけどね!ぶっつけてから数秒はあまりの痛みに身動きがとれませんでしたよ…病院には行こうとしたんです、けどかかりつけのとこがお休みだったんで」


「やっぱり馬鹿ではありませんか!氷嚢でものせておきなさいまし!ほら救護室いきますよ!」

「すいまっせーん…。ああそれで、たんこぶくらいならポケセンでも治せんじゃね?と思って行ってみたんですけど」


「駄目でしたか」


「駄目でした。曖昧に微笑まれました。結構薄情ですよねジョーイさんってば」


「おかしいですね、軽いものであればトレーナーの怪我くらい治療してくださるのですが」


「あ、そうなんですか?ポケセンだからポケモンだけかと思ってモロバレルのきぐるみ着ていったんですよー。ほらこの間の…子供向けイベントした時私が着て風船配ってたやつ」


「…え?」


「きっと野生のポケモンだと思われちゃったんですね!ほら、トレーナーいないですから」


「おそらく頭のイタい方だと思われたのでございましょうねぇ…!!ほら氷嚢です!」


「い゛っ…!ノボリさんそこたんこぶのとこ痛いですってば…!」


「お黙りなさいまし」







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