「クダリさんにはたくましさが足りません」


「な、え?」


「もっとポロックを食べるべき。というわけでどうぞ、R9でホウエンフェアやってたんで買ってみたんです!お茶うけにでも」


「いや…ちょっと、これポケモン用じゃないの!?」


「そうですけど」


「知っててなんでそれを人に食べさせようとするのさ!」


「意外と美味しいですよ。酸っぱいのは食べてないからわかんないですけど、甘い奴はなかなかいける味わいでした。ほらこのピンクの」


「え…食べたの?君…」


「給料日前だからお財布が寒すぎて人間用のおやつ買えなかったんですよ、ポケモン用の方が安かったんです!文句ありますか!けっ」


「じゃあホウエンフェアなんて行かないで家にいなよ!」


「フェアと聞いて私が我慢できるもんですか!ぬいぐるみコーナーなんかもありまして、買うしかないと思いましたね。まじかわいいんですよ、アチャモドールとかキモリドールとかミズゴロウドールとか…!あ、写メみます?」


「給料日前だからじゃなくてぬいぐるみ買いすぎてお金無くなったんじゃないのそれ」


「まあそうとも言うのかもしれませんな」


「そうとしか言わないと思う」


「細かいことはいいじゃないですかー。で、はい、きいろいポロック」


「執拗に酸っぱいのを進めてくるのやめて…!君が食べればいいじゃん、君のおやつなんでしょ」


「いや…だってそれレモンとかそういうレベルじゃないですよ絶対…!この距離でもまがまがしさが伝わってきますもん!甘いのはいいけどこれはいりません!ていうか甘いの以外みんなあげますよ!さあどうぞ」


「そんなこと言われて食べたいと思うわけないじゃん…!ノボリに!ノボリにあげて!」


「ノボリさんはもうすでにコンディション抜群だからこれ以上ポロックは要らないんすって。さっきそう言って断られました」


「僕もいらないよ!」


「いいえクダリさんにはきっと必要です…!」


「何でそんなに食べさせたいの!?」


「どんだけ酸っぱいのか見てみたい」


「やっぱり実験台扱いか…!そんなのヤダもんねー!えい」


「え?……!!」


「どう?みどりのポロックおいしー?」


「―――ッ!!―――ッ!!」


「あ、まずいんだ。良かった食べなくて」


「…っうあ゛、苦ッ!クダリさんひどいですよ…!!」


「君にはかしこさが足りないと前々から思ってたんだー」







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