「あ。白髪」
「ッ!?」
「えっ何ですか何で隠すんですか!別にいいと思いますよ!帽子取りましょうよ!」
「やほー!お疲れさ…どうしたのノボリ頭抱えて」
「お疲れさまですクダリさん。いえね、ノボリさんの髪の毛に一本白髪が混じってたんですけど」
「……………」
「それを指摘したらこんな感じに」
「なるほど、そうか…ノボリはプライドが高いもんねぇ」
「お、お黙りなさいまし…」
「あれじゃないですか、苦労してると生えるってやつ」
「あぁー…確かにね」
「何で私を見ながら言うんですか」
「わかってるくせにー」
「わ、私がノボリさんに迷惑かけてるっていうんですか!?」
「ノボリの苦労の六割は君でしょ」
「残り四割は?」
「僕かな!」
「ぶはははははは!」
「えへへー」
「て言うかクダリさんも白髪あるんじゃないですか?ちょっと見してみ」
「ないよないよ!やめてー!よじ登らないで!」
「……あ!やっぱあった!ぶちー!」
「痛っ!」
「おー…!クダリさんの髪の毛とか…ファンに売れそう…あれ」
「どうしたの」
「これ白じゃないです、銀色だ!灰色に混じってたから白髪かと思ったけど」
「うそ!見たい見たい」
「ほらこれ…」
「うわぁ凄ーい!かっこいい!」
「銀色ってすごいですね!キラキラ光ってますよ!」
「誰かにみせたい!」
「いっそ電車の中吊り広告にこれ写真とって載せちゃいますか!?『サブウェイマスタークダリの銀髪(一本限定)』って売り出しちゃいましょうよ、プレミアつきますよ、っぶふ」
「いひひ、やっちゃう?ってそれ凄い僕恥ずかしいよ!あはっノボリ見てよこれ凄いから!」
「そんな書類はこの際後回しですよノボリさん!見て見て!」
「…外でやっていただけませんか」
「…ノボリ?」
「!」
「どうしたの、合わせ鏡してるの?…あぁ」
「あのこれは、」
「僕のは銀色だったけど、」
「言わないで下さいましぃぃぃ」
「ノボリのそれは白髪!ふっ」
「うぐっ」
「どんまい」
「うぅ…あなたたちが悪さばかりなさるから…」
「それ責任転嫁ー」