「…何をしてらっしゃるかお聞きしてもよろしいですか?」
「あ、ノボリさん!お疲れさまです」
「お疲れさまです。それであなた何をしてらっしゃるのですか?」
「見ておわかりの通り四股をふんでます。一緒にやりますか?」
「あぁやはりそうでしたか…出来れば当たっていて欲しくなかったですね…」
「これ太ももに効くと思うんです!」
「女性がはしたないですよ」
「どうせ私のこと女だなんて思ってないじゃないですかー」
「それはあなたさまがそんな事ばかりなさっているからでしょう!」
「そうやって責任転嫁するの良くないと思います!」
「人聞きの悪い…」
「それにしてもノボリさん、太ももほっそー!クダリさんも細いですよね…ジェラシー感じちゃいます。セクシーですね!」
「(セクシー…)ありがとうございます」
「男性なのにその細さはずるいです!触っていいですか?」
「許可すると思いますか?」
「思います!」
「ヒッ!な…撫でまわさないで下さいまし!」
「おおー…」
「ちょ…本当離して下さ」
「思ったよりも硬い!何かトレーニングしてます?」
「いい加減になさいま、しっ!」
「いだっ!な、殴ることないじゃないですか!」
「ちゃんと手加減致しました!」
「いったー…これ脳みそ出てません?割れてる?」
「割れておりません」
「頭蓋骨くらいはイッてそうですよ」
「ありえません」
「ノボリさんは冗談が通じませんねぇ。だから表情筋が固まっちゃうんぁ痛てててて!あたま鷲掴むのやめてください!」
「下らないことばかり考えるその脳みそを活性化して差し上げようかと」
「ナイスジョーク!でも私の体張ってボケる必要ないんですよ!」
「あなたさまは本当にいつも楽しそうな頭ですねぇ」
「あれ、なんか貶されてる?」
「トレーニングと言うか、毎日勤務の後にクダリと走っております」
「は、?あぁ、さっきの私の質問のことですか!?唐突すぎて何のことだかわかんなかった」
「ギアステーション内を20周ほど」
「ステーション内で走るなって私にはいつも言うくせに…でもそっかー、毎日そんなに走ってたからその魅惑のプロポーションが保たれるんだ!健康に気を使ってますね!」
「健康のためではありません」
「え、まさか鬼ごっこなんですか」
「あなたと一緒になさらないで下さい、卵のためです」
「タマゴ」
「卵」
「孵化?」
「孵化」
「……えっと、…あ、今度ヒトモシ捕まえてきてあげますよ!」
「もう持ってます、お心遣い痛み入ります」
「えっ…!?私ったらヒトモシの炎に舐められながら頬を上気させギアステーションを走り回るノボリさんを今まで見逃していたんですか!ちょっと管理部いって防犯カメラのテープダビングしてもらってきます!」
「珍しく親切な事を言うと思えば!そんなことしたらデータをあなたごと燃やしますからね!」
「じゃあトウコちゃんとベルちゃんにデータ転送するだけでガマンします」
「まさか妥協してるつもりなのですか?」