「ねぇねぇクダリさん」


「はーい?」


「カフェインってー」


「うん、カフェインがなぁに?」


「コーヒーに入ってるからカフェインって言うんですか?それともカフェインが入ってるからコーヒーはコーヒーって言うんですか?」


「コーヒーに入ってるからカフェインでしょ?」


「おぉ!やっぱそうなんですか。へー……じゃあクダリさん、プロテインは?プロテインもプロテに入ってるからプロテインですか?」


「はぁ……?プロテイン?し、知らないよ……でも僕少なくともプロテなんて聞いたこと無い、けど、いや知らないけど」


「えーじゃあニコチンは?」


「知らない」


「コカインは?アトロピンは?コルヒチンは?スパルティンは?」


「何でアルカロイドばっかりなの怖いな、だから知らないって言っ……何読みあげてるの!何の本なのそれ!」


「お客さんの忘れものです!車内清掃の時に見つけたんです!網棚に置いてありました!」


「勝手に読まないの!忘れ物箱に入れておきなさい!」


「へいへーい……うわ、すごいクダリさん見てくださいよこれ、ムスカリンですって!あ、クダリさんこの間の土曜ロード劇場観ました?」


「あー観てない観てないホラホラその本閉じて、はいここ入れてほら」


「えーまじですかークダリさんバロス知らないんですかプスス!イッシュ人なら土曜ロード劇場観ながらプイッターでしょー、バロスプイートするでしょー」


「ナニソレ暇人の遊び?あいにく僕は土曜忙しかったから知らないよ、ていうかいつも忙しいけど」


「あれですよ、旋空の塩パピュタで敵のムスカリンにバロスするとこを狙ってバロスってするんです」


「僕がナニソレって言ったのは詳細を説明して欲しかったわけじゃなくて君の言ってることマジどうでもいいって意味だったんだけど」


「ふひゃひゃクダリさんがマジとか言ってるー!面白ーい!」


「面白くないよ!いいから早くその本ここ入れて!ほらこっち寄こしなさいって!」


「うわ何これすごい、カリフォルニャーコォーンリリーでこんなんなっちゃうの……」


「なにニャーニャー言ってるの!勉強するのは良いことだけど業務外の時間でやって!」


「あっ!クダリさん見て下さい、カフェインの、はんすーちしりょう?半数…致死?うん?まぁいいか、はんすーちしりょうは200mgぱーキログラムですって!どういう意味?」


「もう、聞いてるの!僕の言うこと聞きなさい!」


「10gから12gが危険……ふーん……カフェインだけで10gってコーヒーで言うとどのくらいなのかな」


「100杯くらいじゃないの。そういえばコーヒー豆そろそろ買いに行きたいなー。いいから早くその本こっちにちょうだいよ」


「ハッ!いかん!クダリさん!大変ですよ、もしかしたらノボリさんカフェイン中毒で死ぬかも!」


「死なないよ」


「だって毎日ノボリさんコーヒー水みたいに飲んでるじゃないですか!今日だってクダリさんノボリさんにコーヒー渡してたじゃないですか!しかも魔法びんで!!」


「僕がノボリに淹れるコーヒーあれカフェインレスだもん」


「え?」


「カフェイン入ってないもん。ノボリコーヒー飲み過ぎだから」


「え?そうなんですか?」


「そうそう。ほらいい加減本ここ入れて。怒るよ」


「ハーイゴメンナサイ。……えー、じゃあクダリさんクダリさん、ノボリさんよく『クダリがわたくしのコーヒーだけインスタントで済ませようとしてるんですけど…』って嘆いてるんですけど、あれ知ってました?」


「知ってる知ってる。やだねーノボリは、僕の愛なのにねぇ」


「愛だったんですか……」


「愛だったんだよ。ちゃんとノボリ好みになるように砂糖もミルクも入れてるんだよ」


「うわブラコンだ。それはそうとカフェインレスコーヒーってちゃんとコーヒーの味するんですか?わたしも飲んでみたーい」


「ブラコンって言うな。ノボリのちょっと貰えば?マグカップ持っておいで」


「イエーイ!……おぉー、普通に見た目はコーヒーっぽい」


「コーヒーだもん。はいどうぞ」


「わーい!いっただっきーま………?……?なんか……カフェインレスって……ちょっとしょっぱい?かも?変な味……」


「あ、やば今朝砂糖じゃなくて塩入れちゃった。いっけねー」


「おぶぁぁぁ!!どうりで美味しくないと思ったら!ぺっぺっ!」


「これも愛だよね!」


「どんな愛ですか!」





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