「クーダリさーん!」


「なーぁーにー」


「お饅頭貰いましたゲッヘヘ」


「笑い方キモッ」


「あんですってぇぇ乙女に向かってなんてこと!」


「乙女?どこ?」


「イッツミィィー!クダリさん!ほらほら乙女がここにいますよ!何目逸らしてんですか!」


「えー乙女なんかいないけど……目の前にいるのは珍獣だしなぁー」


「珍獣!?女の子に向かってなんてこと言うんですかキエェーイ!わたしは怒りましたよ!」


「ヤダーこの珍獣何かキーキー鳴いてるんですけどー」


「むっかー!もう知りませんからね!クダリさんだけお饅頭抜きですからね!」


「えー何でずるい!」


「知らなーいっとー。あ、ノボリさんだ、ノボリさーんお饅頭貰ったんですよ見て見てー!」


「何度言ったら分かるんです、お客様がいらっしゃらなくてもホームは走らないッ!」


「ピギャーごめんなさい!」







「彼女、今日は何だか良い香りがしますね…しません?香水つけてるんですかね?それともシャンプー変えたのでしょうか」


「うわノボリ気持ち悪い」


「他意はありませんから!気持ち悪いだなどやめてくださいまし、本人に言わないだけセクハラじゃないでしょう?」


「さっきから何回もあの子の周りウロウロしてたのって匂い嗅いでたんだぁ…流石にそれは引くよノボリ…」


「やめてください!違いますから!たまたま彼女に細々した用があっただけです!」


「嘘だー、わざわざ用事作って近寄って匂い嗅いでたんでしょ?隠さなくてもいいよ僕には」


「ちがっ…!わ、わたくし本当に、今日はそんなこと思ってな」


「冗談だってば怒ることないじゃん、それに僕もさっきからそう思ってた!何か良い匂いさせてるよね今日、ドキドキしちゃう。デートの約束でもあるのかな」


「は?デート?誰がです?」


「あの子が。…おーい!ちょっと、あのさぁー」


「…むっ?はーい、何でしょクダリさん!どうしました?」


「君なんか今日良い匂いすんね、何つけてるの?ドキドキする!ってノボリが言ってる」


「わたくしじゃありません」


「あ、あぁー…やっぱにおいますか、一応手は洗ったんですけど」


「ん?手?」


「あ、はいあのー、これ香水とかじゃないんですよ。トイレの芳香剤さっき詰め替えたので」


「…芳香剤」


「香水じゃないの?」


「違いますよぉー。でもそうですね、お2人がお気に召したなら次もこの香りのやつ買いましょうか。男性用トイレの方のも詰め替えときますねー。いってきまーす」


「……」


「…トイレだってさ、ノボリ」


「ドキドキすると言ったのはクダリでしょう、せいぜい用を足すたびにドキドキしていなさい」


「…僕そんなのいやだよ!」




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