「ノボリ貧乏ゆすりやめて」
「これは失礼」
「……ノボリ、机カツカツするのやーめーてー。爪悪くするよ」
「え。してましたか」
「してた。ウルサイ」
「失礼しました」
「……、ノボリ目ざわり!足揺らさないで!視界に入る!鬱陶しい!」
「クダリはさっきから何なのです、わたくし今のは音出してなかったでしょうが!」
「足カタカタさせないでようっとーしいんだよノボリさぁ!」
「だからあなたの視界には入らないようデスクの下でやっていたでしょう小姑ですかあなた!」
「足ゆらゆらさせてるとそれに連動して肩もちょっと動いてんだよカクカクカクカク目に障るんだよやめてよ!」
「えぇえぇそれは申し訳ございませんでしたね、ならば言わせていただきますけどクダリ、あなたのペン回しも相当目障りです!」
「はぁぁ!?何が!?」
「落ち着きなく回しているだけでも気に障ると言うのにあなた時々失敗して落とすでしょう!カチャカチャうるさいんですよ!」
「そりゃ悪かったねノボリの貧乏ゆすりに比べたら全然マシだと思うけど!」
「ノボリさーん郵便で……す、けど、5分後に来ますね」
「待ちなさい、どうして5分後なのですか今渡しなさい」
「ねぇ君スカートの裾皺になってる、みっともないよ」
「いぎっ、すみませーん……さっきまで迷子に掴まれてたものでー……」
「シャツの襟が整っていませんよ、こっち来なさい」
「いや自分でできますんで……」
「ノボリセクハラなの?服装の乱れ直してやるとかお母さんじゃあるまいし」
「なんですって?」
「ちょ、クダリさんあの、わたし別にノボリさんセクハラとか思ってないですから!」
「やだーさいあくなんだけどー服装検査にかこつけて部下の体触るとかほんと最低エロオヤジなんだけどー」
「何でもかんでもセクハラに結びつけるだなんてあなたの脳の色狂いっぷりには舌を巻きますね、どうせあなたは尻を眺めまわしていたんでしょう。だからスカートの裾の小さな皺ひとつにも目ざとく気付いたんじゃないですかねやれやれこの色情魔、職場で盛らないで下さい」
「ふざけんなノボリと一緒にしないで!こんなのに欲情しない!いつまで襟触ってんだよ離れろエロノボリ!」
「こっこんなの!?」
「は、わたくしがいつ誰に欲情しました!?この幼児体型にとでも!?欲情と嫉妬に加え妄想ですか楽しそうな頭ですね!」
「幼児体型!?ひど、そこまでじゃないですし……!」
「ノボリのかっこつけ!物好き!年下好き!痴漢!」
「誰が痴漢ですか!」
「キャメロンさん!もうわたし気が立ってる時のボスたちには近寄りたくありませんっわぁん!」
「アー……今クラウドガ出張行ッテルカラ……ボス達ノ負担モ大キイシ、チョット疲レテルンダロ」
「喧嘩するなら人を巻き込むのやめてくれませんかねあれ!途中からわたしの悪口だったっつーの」