「ノボリさんノボリさん!冷やし中華、はじめま」


「せん」


「………まだ何も言ってません」


「その後ろ手に持ってるものは何です」


「た、ただの服ですよ?」


「あなたが、後ろ手に、持ってるものは、何ですか」


「………チャイナドレスです」


「ほーう」


「クールビズです!クールビズでノースリーブ制服の導入を提案してるだけです!」


「えぇい纏わりつくのはおよしなさい!ネクタイを引っ張るんじゃありません!」


「だってノボリさん汗かいてますよ!そのコートじゃ暑いに決まってます!夏に真っ向から喧嘩売るスタイルでいいんですか!クーラーガンガンに利かせてロングコートなんて地球に厳しいにも程があります!」


「だからと言って何故チャイナドレスなど着なくてはならないのです!」


「可愛いからに決まってるじゃないですか」


「真顔で何言ってるんですかひっぱたきますよ」


「ふ、婦女暴行ヨクナイです!」


「百歩譲ってクールビズは構いませんよ、えぇ。確かに冷房が利きすぎて寒いというご意見も頂いたことがあります。弱冷房車の設置を致しましたがバトルトレインには導入できませんし」


「そうですね、車両移動してバトルしますもんね。一両目は寒かったのに二両目あっつー!ってなっちゃいますもんね」


「薄手の制服に切り替えるのもやぶさかではございません」


「だからこれどうぞって」


「しかしそれはどう考えてもおかしいです、女性物を何故わたくしが着なくてはならないのですか。変態のようではありませんか」


「変態のようじゃありません、どこからどう見ても立派な変態です」


「無い胸張って何を偉そうにしているのです」


「わ、悪かったですねナイチチで!!これでもノボリさんよりはあります!」


「当たり前じゃないですか。わたくしに胸はございません」


「え、ありますよ男性にも。大胸筋」


「…………」


「どうしたんですかノボリさん頭抱えて!頭痛ですか!」


「……えぇ、ちょっと目の前の馬鹿をどうしてやろうかと思いまして」


「ストレス性の頭痛にはこれがよく利きますよ」


「そのネタもういいですから。チャイナドレス早くしまいなさい」


「んまっ!ネタじゃないですよ、女装するといつもと違う自分になれてストレス発散出来るんですよ!……ってテレビで言ってました」


「嫌です」


「何も女装したまま外歩けとか人前に出ろとかって言ってるわけじゃないんですから一回くらい着てみましょうよ」


「さきほどは制服に導入しろとおっしゃっていませんでしたか」


「はいノボリさんバンザーイ」


「着ません!」



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