「……………ハッ!?す、すごいことに気がついた!すごい!これはすごい!」


「なに?どうしたの」


「クダリさん!クダリさん聞いてください!あのね!すごいんですよ!」


「何、聞いてるよ」


「あのですね………」


「うん」


「ランチョンマットってあるでしょう?」


「うん」


「ランチョンマットって……マットは分かるとして、ランチョンって言うからこう、何かフランス語かオランダ語みたいな感じするでしょう?」


「……するかなぁ?」


「ランチョンってゆっくり言うとですね……らんちょん、らんちよん、らんちおん……」


「うん」


「ランチ、オン、マット………つまり、英語だったんですよ!マットの上にお昼ご飯のってるよって意味だったんですよ!多分!」


「ランチョンって単語があるんだよ。マットの上にご飯乗ってるよじゃないと思うよ」


「何ですって!」







「カビをこそげ落とせば……いける!」


「はい没収」


「うわぁぁぁん!何でですかぁー!」


「何でっておかしいよね!僕むしろ感謝されてしかるべきだよね!」


「だってだってせっかく取っておいたんですよそれ!おいしい奴だから大事に、大事に…それを……カビが生えたくらいで諦められますか!」


「いいじゃんまた買ってくれば!」


「買ってくるとか簡単に言わないで下さい!そのおまんじゅうはめったに手に入らないんです!ネットでも予約できない、不定期にふらっと道端でおじさんが売ってるおまんじゅうなんです!」


「何それこわいよ!大丈夫なの!?」


大丈夫、大丈夫です。三ツ星スイーツですから。ちょっと流通ルートが特殊なだけですから。というわけでそのおまんじゅう返して下さい」


「何がというわけなの。君のお腹も頭も心配だよ。捨てるよこれ」


「いやぁぁぁぁ!!捨てないでぇぇぇ!!!」


「げ、賞味期限も切れてるじゃん。君ほんと食べ物に関してだけ執着心やばいっていうか……いじきたない」


「食べもの粗末にしたら閻魔さまに怒られるんですよ」


「あぁうん、それは良い心がけだけど」


「ってノボリさんが言ってました」


「ノボリはカビ生えたおやつでも食べろって意味で言ったんじゃないと思うよ」



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